生物多様性と水の管理

気候変動は世界の生態系に影響を及ぼし、地域種の喪失や感染症の増加を引き起こしています。また、生物多様性が減少すれば、自然界に蓄積される炭素の量が減少し、結果的に気候変動が進行します。従ってアシックスは、気候変動と生物多様性は同時に取り組むべき課題であると考えています。
アパレル・フットウエア産業は全体として、綿やレザーなどの天然素材を調達し、繊維の染色工程で多くの水を消費し、マイクロプラスチックを自然界に放出することから、生物多様性に最も大きな影響を与える産業のひとつとみなされています。

アシックスでは、ビジネスが果たす役割を認識し、生物多様性への取り組み体制を整えています。生物多様性に与える影響を把握するために引き続き調査を行い、SBTs for Natureが提供するAR3Tフレームワークを用いて行動計画を策定します。

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生物多様性に関する方針

生物多様性に関する方針は、天然素材の調達、水の管理、繊維の染色などの分野におけるアシックスのビジネスと生物多様性との関係について説明しています。この方針は、グローバル環境方針にも示されています。

アシックスはLeather Working Group(LWG)のメンバーであり、加盟企業の一員として、2030年までに森林破壊と土地転換のないレザーを100%調達するというLWGの目標に賛同しています。また、ファッション協定に加盟し、持続可能な森林管理も支持しています。製品開発においては、製品や包装資材にリサイクル素材を調達し、水の消費量を削減する技術を採用するなど、製品の技術設計を通じて生物多様性への悪影響を削減する取り組みを進めています。

資源効率の改善

製品を作るために使用する材料やその他の資源は貴重であり、できる限り効率的に使用するよう努めています。

廃棄物の削減 

アシックス製品の製造に使用される材料は、製造から使用、廃棄に至るまで、私たちがバリューチェーン全体を通じて与える廃棄物に関する影響の大半を占めています。廃棄物に対するアプローチは一貫しています。当社の事業所から発生する廃棄物は、アシックス基準を満たす第三者によって管理されており、定期的に証明書や法的に必要とされる文書を確認しています。また、データベースを使用してデータを収集し廃棄物を測定しています。ヨーロッパFastFeetGrindedなどのパートナーと協働し、再利用またはリサイクルの取り組みを進めています。埋め立てや焼却される廃棄物の4分の3以上は、4つの拠点(物流センター2か所と工場2か所)から出されたもので、これらの拠点は、廃棄物削減の取り組みの中心拠点となっています。

水使用量の削減 

水の過剰消費と水源の汚染は、いずれも生物多様性の喪失につながるため、水への影響を最小化するアプローチは、アシックスが生物多様性に及ぼす影響を緩和する取り組みでもあります。重要テーマである「生物多様性と水の管理」の観点では、バリューチェーン全体を通じて、水に関してステークホルダーと積極的に対話しています。

グローバルに事業を展開するアシックスにおいては、事業活動を行う地域での水不足リスクがあります。バリューチェーンでの水利用は避けられませんが、水の使用量削減と排水の適切な管理に取り組んでいます。アシックスは、水使用量の管理とモニタリングは重要と考えており、一次生産委託先工場からの環境データを取得するHigg FEMなどのデータ管理システムを通じてモニタリングをしています。


水の使用量を減らすためのイノベーション

建設、改築、移転の際に節水効果の高い設備に交換したり、従業員に節水を奨励したりすることで、水への影響を軽減しています。
また、アシックスの製品の一部に、ソリューションダイという技法が採用されています。この技術はアパレルを生産したり、染色したりする過程で、大量の廃水が出るのを削減することができ、通常の染色方法と比べて約33%の節水が可能になります。

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