生物多様性と水の管理

自然資本へのインパクトを最小限に抑え、持続可能性を向上する。

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今後の取り組み


  • TNFDのLEAP分析を完了し、2025年のレポートで結果を開示。

生物多様性に関する方針

生物多様性に関する方針は、天然素材の調達、水の管理、繊維の染色などの分野におけるアシックスのビジネスと生物多様性との関係について説明しています。この方針は、グローバル環境方針にも示されています。

生物多様性と水の管理

アシックスは、水や綿、天然皮革などの天然素材を調達しています。当社は生物多様性の重要性とともに、アパレルおよびフットウエア業界が生態系に与える影響を理解しており、当社の生物多様性に関する方針では、天然素材の調達、水の管理、繊維の染色などの分野におけるアシックスのビジネスと生物多様性との関係について説明しています。

アシックスはレザーワーキンググループ(LWG)のメンバーであり、加盟企業の一員として、2030年までに森林破壊と土地転換のないレザーを100%達成するというLWGの目標に賛同しています。また、The Fashion Pact(ファッション協定)に加盟し、持続可能な森林管理も支持しています。

さらに、当社は、サプライヤーと協力して、天然素材への依存度が低い製品を開発するという取組みを進めています。当社のイニシアティブには、製品や包装資材の両方でリサイクル素材を調達し、水の消費量を削減する技術を採用するなど、製品の技術設計を通じて生物多様性への取組みを進めています。

生物多様性への影響

生物多様性と気候変動は同時に取り組むべき課題だと考えています。気候変動は地域種の喪失と生物多様性の減少を引き起こし、自然界における炭素の蓄積量を減少させ、結果的に気候変動が進行します。アシックスは、ビジネスが果たす役割を認識し、生物多様性 に与える影響を把握するための調査を行い、適切な行動計画の策定 を進めています。

このプロセスの指針として、当社はLEAP(Locate:発見、Evaluate:診断、Assess:評価、Prepare:準備)アプローチを採用しています。 このアプローチは、自然関連財務情報開示タスクフォース:Taskforce on Nature-related Financial Disclosures(TNFD)が推奨する分析フレームワークです。TNFDは、自然に関係する依存関係、影響、リスクおよび機会を特定、評価、開示するためのガイダンスを企業に提供する世界的なイニシアティブです。これによって、企業は自然の保護と再生、生物多様性の対応の戦略を整合させています。

LEAPアプローチには以下が含まれています。
• 自然との接点を発見(Locate)する
• 自然への依存と影響を診断(Evaluate)する
• 具体的なリスクと機会を評価(Assess)する
• 対応と報告を準備(Prepare)する

この調査結果は、「サステナビリティレポート2025」で開示予定です。

アシックスは、ビジネスが果たす役割を認識し、生物多様性への取り組み体制を整えています。生物多様性に与える影響を把握するために引き続き調査を行い、SBTs for Natureが提供するAR3Tフレームワークを用いて行動計画を策定します。

SBTs for NatureのAR3Tフレームワークイメージ

水の消費量の抑制

アシックスは、水資源の過剰使用や水源の汚染が生物多様性の喪失につながることを踏まえ、バリューチェーン全体で水への影響を最小限に抑える取り組みを進めています。事業で使用する水の多くは市水源から供給されており、使用量と排水量の監視・管理を水管理戦略の中心に据えています。Higg FEMを活用して、フットウエアの一次生産委託先工場の年間水使用データを収集し、淡水や水ストレス地域に関する情報も把握しています。さらに、新築・改築・移転時には節水設備を導入し、従業員にも節水を促すことで、事業所全体での水への影響を抑制しています。

水の使用量を減らすためのイノベーション

特に水の使用量が多いアパレル製造工程では、染色技術「ソリューションダイ」を採用しています。この技術は生産・染色の過程で、廃水量を削減することができ、通常の染色方法と比べて約33%の節水が可能になります。水の使用は避けられないものの、消費量の削減と排水の適切な管理を通じて、環境への負荷を軽減しています。

サステナブルな綿をより多く調達

綿はアシックスのアパレル製品に使用される天然繊維のひとつで、使用量は限られていますが、少なからず自然環境への影響があります。アシックスは2025年までに、より持続可能な綿※を100%調達することを目指しており、2024年には使用率が59.8%に達しました。調達方針のもと、原産地証明書の取得をサプライヤーに求めるなど、トレーサビリティの強化にも取り組んでいます。また、2019年からはベターコットン(BC)に加盟し、環境や農村地域、綿生産地の経済における継続的な改善を推進しています。

※ベターコットン(BC)、オーガニックコットン(GOTS認定済み)、Fairtrade認定済み、リサイクルコットン(GRS認定済み)、Cotton Made in Africa(CmiA)認定済み、U.S. Cotton Trust Protocol認定済みの綿。

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