管理とモニタリング

サプライチェーンを理解する
アシックスには、サステナビリティ部門だけにとどまらず、複数の部門、そして各種手順や方針があり、それぞれ私たちの事業が安全で倫理的かつ持続可能であることを確かなものにする役割を担っています。例えば、生産部門及び調達部門は、サステナビリティ部門との定期的なミーティングをしながら、サプライヤーの皆様とも密接に協力し、サプライチェーンの持続可能性の向上と発展に努めています。
サプライチェーン管理
アシックスはビジネス慣行が倫理的かつ持続可能であるために、さまざまなステップによってグローバルなサプライチェーンを管理しています。当社のサプライチェーン管理プログラムは、以下の主要なステップに基づいています。
モニタリング
アシックスの基準に照らし合わせ、生産委託先工場の社会面(人権など)及び環境面でのサステナビリティ状況を継続的に確認しています。また、改善に当たっては、工場経営者、労働組合、業界団体と密接に協力しています。
なお、アシックスは以下の二つに注力します。
監査と評価
アシックスでは、サプライヤー候補との取引を開始する前に厳格な事前スクリーニングを実施しています。調達後には、一次生産委託先工場および主要二次生産委託先工場に対してアシックスサプライヤーCSRスタンダードで求める要件と照らし合わせて5段階で評価を行います。アシックスサプライヤーCSRスタンダードは、国際労働機関(ILO)の条約などの国際労働基準を参照して、強制労働、児童労働、ハラスメント、差別、結社の自由、賃金、労働時間、労働安全衛生、環境などに関する要件を記載しています。
2024年アシックスは、生産委託先工場の直近のCSR管理状況をより正確に評価できるようスコア化の方法を改良し、より詳細に工場の評価およびリスク分析が可能となりました。各監査の後、アシックスは工場と協力して、明確なタイムライン内で是正措置計画を策定、実施します。また、工場の十分な改善が進まない場合は警告を発し、重大な課題が継続的に発生する場合には取引終了につながる可能性もあります。
これらのアプローチにより、サプライチェーンのビジネス慣行が、アシックスが求める倫理的かつ責任ある調達の要件に沿っているかを確認します。
(調達前のリスク評価)
カントリーリスク評価
人権リスク及び地域や業種ごとのリスクを分析し、生産可能な国や地域の選定をしています。
工場監査
アシックスは、当社基準を満たし、人権と環境への考え方を同じくするサプライヤーとのみ提携しています。サステナビリティの状況がアシックスの要件に合致していることを確認するため、私たちはサプライヤーの評価をしています。
(調達後の評価)
第三者監査
現地の法律や規制、文化、言語に精通した公認の専門家である監査員が監査を実施します。監査手法の一貫性を保つため、 SEDEX Members Ethical Trade Audit (SMETA) の使用を基本としています。アシックスの社員が現場検査、書類検証、社員インタビューなどを行います。
パートナー監査
2014年から、国際労働機関(ILO)ベターワークはパートナー工場において毎年評価を実施しています。その結果に基づいて改善計画を立て、同プログラムの指導を受けながら労働環境の改善を行います。
内部監査
アシックスのサプライチェーンCSRの専門性をもつ社員が、生産委託先工場の現場検査、書類検証、社員インタビューなどを行い、アシックスのCSR基準を満たしているかを確認します。
上記の評価に加えて、事業運営、製品品質、サステナビリティの取り組み、その他の重要な要素を考慮した包括的かつ客観的なフレームワークを使用して、サプライヤーのパフォーマンスを定期的に評価しています。
当社のサステナビリティへの取り組みの詳細については、最新のサステナビリティレポートをご覧ください。
違反項目
工場評価でコンプライアンス違反が判明した場合、違反の重大性と労働者に対するリスクの程度に基づいて、重大か軽微かを判断しています。重大かつ継続的な違反の場合には、取引関係の終了、今後の発注の見直し、第三者による検証、警告などの対応をすることとなります。
軽微な違反の場合、3カ月の改善期間が設けられ、その間に工場は是正措置を講じます。必要に応じて、アシックスは、研修や有用な情報などの提供を通じて改善を支援します。
研修と能力開発
生産委託先工場の強靭性と持続可能性を高めるため、定期的な研修を実施しています。
この研修では、一次委託先工場及び二次委託先工場を対象に、新しい基準、法的要件、業界の優良事例、体系化された管理システムの導入などについて、必要な知識やより深い理解が得られるようにしています。今後も、ベトナムやインドネシアなど主要な生産国にある工場を対象に、能力開発の場を提供していきます。
レポーティングと透明性
透明性の継続的な向上は、サプライチェーン上のリスクへの私たちの理解、及びサプライヤーの労働環境と生産性の向上に役立ちます。
私たちは、サプライチェーンの透明性を高めるための主な共通基盤として、サステナブル·アパレル連合(SAC)の指標「Higg Index」を活用しています。
バリューチェーンの階層ごとに設定されたモジュールからなり、それらの連携によって、製造から小売り、更にその先まで、全体を通して私たちの活動の透明化が可能になります。