グローバル賄賂防止・腐敗行為防止方針
アシックスの声明
a) 賄賂および腐敗行為
賄賂および腐敗行為は、ビジネスおよび社会にとって有害です。賄賂および腐敗行為は、政治体制を弱体化させ、経済を減退させ、ビジネスを非競争的にさせ、人々から不可欠なサービスを奪います。
b) 賄賂防止および腐敗行為防止の誓約
株式会社アシックスは、取締役会を通じ、アシックス本社として、以下の誓約をします。アシックスとは株式会社アシックスおよびその子会社、関連会社をいいます。
アシックスは、いかなる方法でも、いかなる形でも、世界中のどこであろうとも、賄賂を全くせず、受け取らず、また腐敗行為に関与しないことを誓約します。
我々の経営理念や価値観から、賄賂や腐敗行為が容認されないことは明白です。
我々が最高水準のビジネスを行い、我々が直接的に関係する会社または第三者を通じて活動するあらゆる国で、賄賂防止および腐敗行為防止を含む全ての適用法を確実に遵守して実務を行うのが、我々のポリシーであり、信念です。ここでいう法とは、日本の不正競争防止法、英国の賄賂防止法および米国の海外腐敗行為防止法を含みますがこれらに限りません。
本ポリシーの位置づけおよび性質
アシックス本社として、賄賂および腐敗行為に関する我々の見解について明確なガイドラインを本ポリシーにおいて述べます。
本ポリシーは、実施されている現地の賄賂防止および腐敗行為防止ポリシーの補完とみなされます。全ての子会社および関連会社は、本ポリシーと現地のポリシーの両方を遵守しなければなりません。かかる現地のポリシーがない場合、本ポリシーが適用されます。
定義
賄賂とは、求められるか求められないかを問わず、ビジネス、ビジネス上の利益または個人的な好意の獲得または保持のために公務員または私人に与えられるか約束される金銭その他の価値のある対価の受領、提供、授与をいいます。
腐敗行為とは、個人または認められた会社の利益を得るために委任された権限の濫用をいいます。
ビジネスパートナーとは、アシックスの供給業者、請負業者(下請業者)、仲介業者、広告代理店、コンサルタントおよびその他のサービス提供業者をいいます。
禁止行為
賄賂および腐敗行為は決して認められません。
この結果、贈答、接待、円滑化のための支払、キックバックが禁止される場合があります。
円滑化のための支払とは、公務員による日常的または必要的な行政措置または手続の遂行を円滑にするために行われる支払または贈答をいいます。
キックバックとは、支払人の収入源を開くか、支配する立場にある人になされる金銭の支払または価値がある他の何かの受領をいいます。
寄付
物品提供サービス、知識、サービス交換または直接の金銭的な貢献といった地域支援または寄付は、容認されます。全ては、職務権限規程に従います。しなしながら、賄賂であるにも関わらず慈善貢献またはスポンサーシップであるかのごとく偽装されないこと、また、これらの貢献およびスポンサーシップが賄賂を構成しないことが守られる必要があります。
寄付または支援は、政治的または宗教的な組織または地域で許されないことがあります。
範囲
本ポリシーは、株式会社アシックスおよびその子会社、関連会社に適用されます。
アシックスは、本ポリシーを遵守するビジネスパートナーとのみビジネス上の関係を築きます。
アシックスおよびそのビジネスパートナーは、ビジネスまたは他の不適切な利益を獲得または維持するために直接的または間接的に賄賂または不当な利益に関与しません。賄賂および腐敗行為は認められておらず、それ自体禁じられます。
全ての近代的な賄賂法は、域外適用の効力を持っています。これは、こうした法律が世界中どこにいようとも、現地の基準や文化的規範では標準とみなされていようと関係なく、アシックスおよびそのビジネスパートナーの行為に適用されることを意味します。
従業員および経営陣の責任
世界中の全てのアシックスの役員および従業員は、本ポリシーを熟読し、完全に理解し、常に遵守しなければなりません。質問または疑問は、記録の保存および報告の章のb)項に従って送付しなければなりません。
経営陣には、アシックスのために働く全ての従業員および外部関係者が自らの責任の範囲内で確実に本ポリシーを理解し遵守するよう、本ポリシーを伝達する責任があります。
また、経営陣には従業員が本ポリシーを理解し、そして賄賂および腐敗行為に関わる問題に対処できるよう訓練する責任があります。
ビジネスパートナー
ビジネスパートナーにとって、アシックスとのビジネスを得るため、またはアシックスに代わってサービスを得るためには、賄賂、腐敗行為またはその他の本ポリシーに反する行為に関与しないことが極めて重要です。政府または公務員と取引を行うビジネスパートナーには、特に注意を払わなければなりません。リスクの高い領域に厳密な適正評価を適用し、本ポリシーの遵守をアシックスと取引を行う条件とし、該当する場合には契約書に記載しなければなりません。
アシックスはいかなる賄賂法のもとでもビジネスパートナーの行動の責任を負うことがあります。そのため、我々がビジネスパートナーのことを知り、彼らがアシックスに代わってする行為が、賄賂法に違反していないことを可能な限り確認することが重要です。
活動を行う際に賄賂に関与しないことが、アシックスのために、またはアシックスに代わってサービスを行うビジネスパートナーに求められる条件です。
リスク
本ポリシーの違反は、以下を含むもののこれらに限られない厳しい制裁をアシックスへもたらすことがあります。
a) 当局は、(いくつかの国では無制限に)多額の罰金をアシックスに課すことがあります。
b) アシックスは、利益の払戻を強制されること、または公的契約から除外されることがあります。
c) アシックスおよびその役員、従業員は刑事罰を受ける可能性があります。この刑事罰には、アシックスおよびその役員、従業員に対する罰金ならびに懲役刑を含む可能性があります。
d) 被害を被った競合企業が、アシックスを提訴し、補償を求めることがあります。
e) アシックスが賄賂を行ったと主張された場合、アシックスの名声に重大な影響を与えかねず、事業と株価にも影響することがあります。
違反の結果
本ポリシーの違反は、それぞれの状況の事実によって異なりますが、不正な贈与または支払に対する役員または従業員の経費の精算の拒否に始まり、解雇を含む懲戒処分に至ることがあります。
経費報告書の改ざん、贈与または経費の性質の不正表示もしくは不適切な目的での贈与または経費支出は、重大なポリシー違反とみなされます。
記録の保存および報告
a) 記録される商取引ならびに役員および従業員に精算される費用の正確な性質に関して、会計帳簿を含む全ての正確な記録が、関連する社内規則に従い、保管されなければなりません。これらの記録は、明確かつ明白でなければなりません。
b) 全役員、従業員およびビジネスパートナーは、腐敗行為、賄賂その他の本ポリシーに反する行動に気付いた場合には報告することが求められます。実際の違反または疑われる違反に気付いた場合、できる限り速やかに報告しなければなりません。通常のレポートラインを通じて各社または各統括会社の法務部、内部監査室またはグローバル内部通報ラインに連絡を取ることによってこれを行うことができます。グローバル内部通報ラインへの報告者は希望すれば匿名性を維持することができます。グローバル内部通報ラインへの連絡方法は、「グローバル内部通報方針」に示されており、グローバル内部通報ラインへの全ての通報は「グローバル内部通報方針」に従って取り扱われます。
c) 違法行為を関係当局に報告し、その後の調査に全面的に協力するのがアシックスの基本姿勢です。
d) この章のb)項に基づき上記に直接報告される全ての事象は、検討され、必要に応じて調査されます。
e) 当該事象を効率的に評価できるよう、報告を行う前に個人のリスクを考慮に入れながら、できる限り多くの情報、証拠または関連書類を集めてください。
f) 内部通報をしたと思われる人に対する悪意のある報告やその他のいかなる種類の報復も容認されず、重大な不正行為とみなされます。アシックスの役員、従業員およびビジネスパートナーは、本ポリシーおよび「グローバル内部通報方針」に従い保護されます。内部通報の結果生じたハラスメント、脅迫または不当な扱いについて懸念がある場合は、この章のb)項に従って直ちに報告することができます。
コミュニケーションおよび教育
本ポリシーが十分に理解されるよう、コミュニケーションおよび教育を実施します。
モニタリングおよび検証
本ポリシーは、適合性、適切性、有効性を勘案して定期的にモニタリングされ検証されます。
グローバル賄賂防止・腐敗行為防止方針 別紙
やるべきことおよびやってはいけないこと
1) 例え当社事業の短期的な遅延または難事を意味するとしても、いかなる形でも賄賂を受けたり、与えたりしないこと。
2) 手渡しであろうと、送られてこようとを問わず、いかなる形の賄賂も直ちに返還し、記録の保存と報告の章のb)に従って報告すること。
3) 適切な承認を受けた後に行った迅速な支払を完全かつ正確に記録すること。
4) 許可、認可または証印を得るために公務員に非公式の支払を行わないこと。
5) サービスを提供する人に直接経費を支払うことまたは請求書を手に入れること。例えば、アシックスのために門戸を開き、関係を築くための「仲介者」になる目的で、いかなる者にも支払を行わないこと。
6) 本ポリシーで明示的に認められるもの以外の私的な仕事上の接触に対して、他の何らかの便宜を与えず、また、支払を行わないこと。懸念がある場合は、記録の保存および報告の章のb)項に記載するとおり、関係者と連絡を取ること。
7) 賄賂を求める公務員または私的な仕事上の接触の企てについて記録の保存および報告の章のb)に従い直ちに報告すること。
8) 特定の状況において例外が認められると強く思う場合、または懸念がある場合、各社または各統括会社の法務部に適時に文書による許可を求めること。
9) 接待になる場合には
a) 当社の取引先の招待が公然と申し出られ、適切に記録されたことを保証すること。
b) 当社の取引先の招待が適正水準の仕事上の接触であることを保証し、配偶者、招待客または受益者として他の人に及ぶことに注意すること。
c) 受益者が多くのイベントに招待されている場合、その累積的な影響の可能性と、結果として生じうる不正に十分な注意が払われているかを確かめること。
d) 簡単に換金できない適度な贈り物しか渡さないこと。
e) 招待またはイベント自体が例えば既存の契約の更新など主要なビジネス上の決定と一体であるかを確かめること。招待を受ければ、ビジネス上の決定を行う際に公正であることが難しくならないかを自問すること(レッドカード)。
f) 例えば特定の取引関係の向上または特定の製品もしくはサービスの販売促進など当社の接待プログラムおよび/またはもてなしにおいて正当なビジネス目的を定め、記録すること。
g) 接待が一般的に認められる取引慣行の範囲に確実に収まるよう、市場および当社の業界で受け入れられているものを基準に当社の出費を評価すること。「他の皆もやっている」ということは抗弁として認められないことを認識すること。