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アシックスグローバル行動規範

1.行動規範について

1) 序論

アシックス本社として、我々の事業活動について明確なガイドラインを述べます。

我々の事業活動は、アシックススピリットおよびアシックスCSR方針に由来しています。

アシックスとは株式会社アシックス、その子会社および関連会社をいいます。

我々の事業は、信頼と名声に立脚しています。それは、消費者が我々の製品についてどのように考えているか、株主が我々を投資先としてどのように捉えているかに影響を与えます。一握りの人たちあるいはたった一人の非倫理的行動によって、以前は勢力のあった会社が確固たる名声を永久に汚してしまった数多くの例があります。名声を築くには何年もかかりますが、名声を失うのはほんの一瞬です。

我々が最高水準のビジネスを行い、我々が直接的に関係する会社または第三者を通じて活動するあらゆる国で、全ての適用法を確実に遵守して実務を行うのが、我々のポリシーであり、信念です。

誠実に行動することは、単にアシックスのイメージおよび名声を高めるだけでなく、法的問題を回避することにもなります。我々全員が誇りを持って仕事をする場所を維持することにもなります。我々一人一人が、何が正しい行動かを知ることにもなります。これは、正直に行動し、我々の経営理念と完全に一致して、互いに、また、我々の取引先、パートナーおよび消費者に、公正に、敬意と尊厳をもって接することを意味します。

本規範は、実施されている現地の規範の補完とみなされます。全ての子会社および関連会社は、本規範を遵守しなければなりません。現地の規範がない場合、本規範が適用されます。

アシックスは、いかなる方法でも、いかなる形でも、世界中のどこであろうとも、本規範に違反する不正行為を全く容認しないことを誓約します。

2) 本規範の位置付けおよび性質

本規範は、我々の役員(役員とは取締役会の構成員、執行役員を含む)および従業員がアシックススピリットに内在する重要な価値観および倫理的基準に従って自らの行動を取る一助となるためのガイドラインです。

3) 範囲

本規範は、株式会社アシックス、その子会社および関連会社に適用されます。

アシックスは、本規範を遵守する供給業者、請負業者(下請業者)、仲介業者、広告代理店、コンサルタントおよびその他のサービス提供業者(ビジネスパートナー)とのみ取引関係を築きます。

アシックス、その役員、従業員およびビジネスパートナーは、多くの国々および世界中のその他の地域の法律および規則に服する場合があります。アシックスは、適用法ならびに適用規則(国内および国際の法律および規則を含む)を厳守してビジネスを行うものとし、同じことをビジネスパートナーに求めます。本規範の規定が適用法に抵触する場合には、適用法が優先します。

4) 人権

アシックスは、株主、取引先、従業員、ビジネスパートナー、競合企業、政府ならびにそれらの代理人およびアシックスの活動によって影響を受けるその他の人たちに対して誠実に行動する、社会における責任あるパートナーでありたいと思います。アシックスは、自らが活動する国々の法律および規則の適用原則を遵守し、自社の利益および影響を受ける人々ならびに企業の利益を定期的に見直し、彼らとの健全な、長期に亘る関係を維持します。アシックスは、起こりうる問題に対し適用法および適用規則の範囲内で適切な取り組みを行い、責任ある行動を取るために現地の状況に適応するよう努めます。この点に関してアシックスは、全ての関係者との対話および協力の原則を支持します。

世界人権宣言に関してアシックスは、人権を支持し、敬意を払い、自社の活動が人権侵害とならないように努力します。

国際労働機関(ILO)の条約は、ILO加盟国に向けたものであり、会社の個人に向けたものではありません。アシックスは、世界的に認められる労働基準を達成するというILOの目標を支持します。

アシックスは、以下のILOの基本条約の対象とされるテーマに関して社内手順およびガイドラインを設けています。

a) 結社の自由および団結権の保護

b) 団結権および団体交渉権

c) 強制労働

d) 強制労働廃止

e) 同一報酬

f) 差別待遇(雇用および職業)

g) 最低年齢

h) 最悪の形態の児童労働

アシックスは、市民社会の秩序および安全を乱すおそれがある反社会的勢力またはグループとの関係を拒絶します。

アシックスは、地域の慣習および文化を尊重しつつ、自らが活動するあらゆる国および地域の環境、ライフスタイルに関する適用法および適用規則を遵守します。

2.健全な職場の維持

1) 差別

アシックスは多様性を尊重します。全ての役員および従業員が協働する人々や文化を尊重し、責任ある行動を取り、尊厳を持って同僚と接することを期待します。アシックスは、役員、従業員または従業員の集団を否定的な方法で非難することを禁じます。

2) ハラスメント

アシックスは、上記に基づくハラスメントだけでなく、セクシャルハラスメントもない職場を提供することを約束します。アシックスは、役員または従業員による他の役員、従業員またはアシックスが取引関係、サービス提供関係あるいは業務上の関係を有する従業員以外の者に対する不快な嫌がらせ行為を禁じます。たとえかかる行為が法律または規則で定義されるレベルまたはハラスメントに達していなくても同様です。

セクシャルハラスメントとは、以下の場合の不快な性的勧誘、わいせつな行為の要求やその他性的な口頭による行為あるいは身体的行為です。

a) かかる行為が明示的、黙示的を問わず、個人の雇用の条件に関連して行われる場合

b) 個人によるかかる行為の服従あるいは拒絶が当該個人に影響を与える雇用の決定の根拠として用いられる場合

c) かかる行為が事実上個人の勤務成績を妨害する目的または効果を有する場合もしくは脅威的な、敵対的な、あるいは攻撃的な労働環境を生み出す場合

いかなる報告も「グローバル内部通報方針」に従って取り扱われなければなりません。(「グローバル内部通報方針」参照)

3) 従業員

アシックスは、個人の表現、革新および成果を促す職場を提供したいと考え、全ての従業員が確実に敬意および尊厳を持って接するようにしたいと考えます。

アシックスは、人種、肌の色、信条、出身国、宗教、年齢、性別、ジェンダー、性的指向、性自認、身体的または精神的健康、病状または遺伝情報に関係なく、法律および規則の下での全ての適格者に、法律および規則に従って均等な雇用機会を与えます。

雇用の均等の約束は、以下を含むもののこれらに限らない雇用の全過程に及びます:募集、採用および解雇、成長の機会、啓発および昇進、訓練プログラムに関する従業員の選定ならびに賃金および手当の決定。

我々は、身体障害または精神障害のある従業員および応募者と協働し、合理的な調整を施します。可能であれば、基本的な任務または職務を行う能力についての制限を記載する診断書を医師から提供してもらうことを障害のある従業員に勧めます。それによってアシックスは、連携して、彼らが作業を完了するのに適した環境を提供することが可能になります。

株式会社アシックスは、子会社および関連会社に障害者の参加を求めるよう促します。

取締役への貸付は禁止されます。従業員への貸付は現地の取締役会によって事前に承認されなければなりません。

4) 雇用条件

報酬は、全ての適用賃金法・規則の規定(最低賃金、残業時間および法定手当に関するものを含む)と一致しなければなりません。

労働協約、労働組合契約または就業規則で合意していない限り、懲戒による賃金控除は認められません。

賃金は、定期的に金銭で、通常は小切手または銀行口座経由で、例外的な場合には現金で支払われますが、現物では決して支払われません。従業員は給料および手当の構成について詳細かつ明確な方法で通知されます。

労働時間は現地法および現地規則で規定する最大時間を超えてはならず、残業時間を含めて過度であってはなりません。労働協約、労働組合契約または就業規則で合意していない限り、時間外労働は強制されません。

アシックスと従業員の両者は、高水準の業績、自己啓発および雇用可能性を確保するためにあらゆる努力を尽くすことを互いに約束します。アシックスは、予算の範囲内で仕事に関連する学習の機会を従業員に与えます。

アシックスは、現地法、現地規則および/または共通の現地の慣行の範囲内で、事業の状況について少なくとも年に一度従業員に知らせます。 アシックスは、アシックスの事前承認なしに、従業員自身が選択する組織(労働組合を含む)を設立すること、または組織と一緒に行動することを選択するかどうかについて従業員の自由を認め、尊重します。アシックスは、労働者の雇用を、組合に参加していないことまたは労働組合の組合員であることを止めることを条件としません。さらに、アシックスは、組合員であるという理由で労働者を解雇したり、偏見を抱いたりしません。アシックスは、当該組織をアシックスの支配下に置く目的で、労働組織を妨害したり、資金を提供したり、その他の措置を講じません。

アシックスは、法律、規則および現行の労働関係ならびに雇用慣行の枠内で、労働組合およびその他の従業員組織に代理される従業員の権利を尊重します。アシックスは、自身か、会社の団体を通じるかを問わず、雇用条件について合意に達するために交渉に参加します。

全ての従業員は、均等の機会を持ち、雇用および職種において均等に扱われます。雇用および職種に関していかなる形態のハラスメントも差別も容認されません。

アシックスは、過酷な扱いおよび非人道的な扱い(アシックスの従業員のセクシャルハラスメント、性的虐待、体罰、精神的または身体的強制もしくは言葉による虐待を含む)または当該扱いの可能性を容認しません。

従業員の代表者との雇用条件に関する交渉の結果について従業員に知らせ、アシックスは、給料および/または職務格付け、労働時間、安全衛生に関する雇用方針が明確であることならびに全ての適用可能な現地法および現地規則を遵守するものとします。

5) 職場の安全衛生およびセキュリティ

アシックスは、安全かつ衛生的な環境を提供することを約束します。安全およびセキュリティはチームとして取り組むべきものですので、全ての役員および従業員が適用法、適用規則および職場の安全衛生およびセキュリティを確保することに関係するアシックスのポリシーを遵守することを求めます。従業員は、訓練を受けていない作業を引き受けてはならず、十分に安全な方法で作業し、危険な状態および傷害は速やかに報告しなければなりません。

さらに、アシックスは脅威、脅迫および身体的危害のない、非暴力的な環境を約束します。他者あるいはアシックスの財産に対する暴力行為または暴力の脅威は直ちに報告されなければなりません。アシックスの構内での作業中またはアシックスのための業務中の役員または従業員による武器の所有および/または使用は厳禁です。

アシックスは、アルコールおよび/または(違法)薬物の摂取が摂取者と周囲の人たちにとって重大な安全衛生のリスクを引き起こす可能性があることを認識しています。そのため、アシックスは、薬物およびアルコールのない職場を実現しました。役員および従業員は、アルコール飲料または(違法)薬物をアシックスの構内で摂取すること、所有することまたはその影響を受けることを認められません。

特に指定された区域での喫煙を除き、職場での喫煙も認められていません。

3.会社(知的)財産権

1) 会社資産

役員および従業員は、アシックスの資産および資源を適切に使用し、保護し、保全する責任があります。

それ故、全ての役員および従業員は、以下のガイドラインに従って当該資産を使用しなければなりません。

a) 個人の利益またはアシックス以外の者の利益のためにアシックスの資産を使用しないこと

b) 常識を働かせること。職場からの私用電話または電子メールは時折であれば容認できます;過度の私用電話または電子メールは資産の乱用になります

c) アシックスのポリシーは、社用車または無線通信装置などの特定の資産の個人的使用を認める場合があります。アシックスの資産をポリシーのとおりに使用していることを確かめるために該当する現地のポリシーを常に確認してください

アシックスの資産には、我々が作業を行う物理的空間だけでなく、金庫や現金、事務機器および情報システムなどのその他の物理的資産も含まれます。資産にはソフトウェア、特許、商標、著作権およびその他の専有情報も含まれます。

従業員のプライバシー権は、アシックスの電子通信システムで作成、受信、送信または保存されたものに限られます。アシックスは、現地法および現地規則に従って当該システムからの情報を監視し、検索する権利および当該システムで発見された情報を開示または使用する権利を留保します。役員および従業員は、アシックスの資産を使って、または労働時間中に法律および規則で禁じられている資料もしくは性的内容、卑猥な言動、名誉を傷つけるようなコメントを含む資料またはアシックスにとって不名誉となるものにアクセス、配布、ダウンロードまたはアップロードしてはなりません。

アシックスの製品、機器または情報の不正な除去などの物理的窃盗であろうと、時間または費用の領得もしくは虚偽報告による窃盗であろうと、アシックスの資産の窃盗は本規範の違反とみなされます。アシックスは、他の役員または従業員の資産の職場での窃盗は、アシックスの資産の窃盗と同様の方法で取り扱います。

2) 専有情報(知的財産権)

全ての役員および従業員は、組織の情報(ソフトウェアプログラム、設計図、顧客リストおよび財務データなど)ならびに従業員データを含む専有情報(電話番号、自宅住所、電子メールアドレスおよび医療情報など)の秘密を守る責任があります。秘密専有情報は、業務を行うために同情報を必要とするアシックス社内にのみ開示されるものとします。全ての秘密専有情報は、当該情報がアシックスにとって秘密かつ専有であり、アシックスの有価値の商業資産であると理解している役員および/または従業員に開示されます。それ故、アシックスの在任期間中および期間後またはアシックスとの雇用期間中および期間後、役員および従業員は、直接的、間接的を問わずアシックスの秘密専有情報をいかなる方法でも利用してはなりません。ただし、アシックスが指定する方法で使用する場合またはアシックスのために仕事を行うために要求される場合を除きます。役員および従業員は、アシックスによる許可なしに、いかなる形態であっても、いかなる媒体であっても当該情報をアシックスから除去してはならず、また自分の利益あるいは他の者、企業の利益のために行う作業に関連して当該情報を使用してはなりません。役員および従業員は、秘密専有情報を、一般公衆を含む他の者、企業または他の事業体に漏えい、開示、特定または提供してはなりません。アシックスは、他の者の保護される情報も尊重することを約束します。適切に承認されていない限り、ベンダー、下請業者または第三者(前従業員を含む)の専有情報を使用、開示または複製してはなりません。(「グローバルプライバシー保護方針」を参照)

3) 不正開示

アシックスは、自社のビジネス目的での情報を、紛失、侵害および不正使用ならびに不正開示から保護されなければならない会社資産とみなします。

情報が以下である場合を除いて、開示者がそれにより守秘義務違反となる疑いがある場合には、第三者がアシックスに開示した情報を利用しないことを約束します。

a) アシックスによる開示の結果としてではなく、一般的に公衆に利用可能である場合

b) アシックスが独自に開発した場合

c) 秘密としての取り扱いではなく、守秘義務に拘束されていない第三者から、または法律の適用によりアシックスが入手できる場合

アシックスは、取引先、従業員、ビジネスパートナーおよびその他関係者について、個人を識別できる情報を保護することを約束します。

アシックスは、合法的なビジネス目的が存在する場合にのみ、「グローバルプライバシー保護方針」に従って個人の個人データを処理するものとします。

個人データの処理は、当該ビジネス目的に関連するものとし、過度であってはならないものとします。(「グローバルプライバシー保護方針」を参照)

4.公正な事業活動

1) インサイダー取引

我々の組織またはビジネスに関して重要な、非公開情報を所有する場合、役員および従業員、彼らの家族または彼らによって支配される者は、アシックスの株式を売買してはならないこと、または当該情報を利用する行為に関与してはならないこと、もしくは当該情報を他の者に伝えてはならないことが我々のポリシーです。我々の組織上の地位によって取得された別の組織に関する重要な、非公開情報を所有する場合、上記は当該組織の株式の取引にも適用されます。不正取引と疑われるような行為ですら、取引に関与する組織または個人の潜在的訴追を免れるために避けられなければなりません。

2) 利益相反

アシックスは、自社の役員および従業員がアシックスにとって最大の利益となるビジネス上の決定を行い、行動を取ることを期待します。利益相反は、役員または従業員がアシックスのための意思決定を行う上で当該役員または従業員の客観性に影響を与えかねない活動に関与するいつの時点でも存在します。

利益相反を引き起こすおそれがある例には以下が含まれます。

a) 我々の組織のサプライヤー、取引先または競合企業との雇用を受諾すること

b) 彼らと財務上の利害関係があること(株式公開企業での少数株式保有を除く)

c) 家族を雇用することおよび/または家族と直接報告関係があること

d) 家族が所有する会社または家族が関係する会社と取引を行うこと

役員および従業員は、アシックスの構成員としての公的立場と私人としての立場に明確に一線を引くものとし、公的利益と私的利益を決して混同しないものとします。

3) 反トラスト、競争、賄賂防止および腐敗行為防止

個人および組織とビジネスを行うに際して、我々は役員および従業員が常に公正かつ公平であることを期待します。賄賂および腐敗行為は決して容認されません。義務感を抱かせる場合、職業上の判断に支障を来す場合、または支障を来す可能性がある状況を呈する場合には、贈り物または寄贈品を決して与えないこと、または受け取らないことです。有価値の寄贈品、贈り物または接待を与えること、または受け取ることは、誰かに影響を与える不適切な企てであると解され、また、我々が慎重に築き上げて来た取引関係に悪影響を与える可能性があります。寄贈品、贈り物または接待には、食事代、宿泊代、割引、貸付、現金、サービス、チケット、自動車または休養施設の使用、運賃もしくは有価物が含まれる可能性がありますが、これに限定されません。我々の取引関係は、全く健全なビジネス上の決定に基づいていなければなりません。役員および従業員は、常に的確な判断力を用いなければならず、疑義または懸念がある場合にはそれを表明しなければなりません。

公的部門(大学や病院などの政府所有組織を含む)と同様に、政府機関、長官、公務員および代表者とビジネスを行う際には、より厳格なルールが適用されます。公務員は有価物を受け取ることを多くの場合禁じられており、法律、規則および規程に違反することは、禁止されている贈り物の贈与者と受領者にとって重大な犯罪となる可能性があります。政府部門または民間部門の職員と協働する役員および従業員は、自分たちの取引先および自分たちの所在地に関係する特定の法律および規則を確実に知り、遵守しなければなりません(「グローバル賄賂防止・腐敗行為防止方針」を参照)。反トラスト、競争、賄賂防止および腐敗行為防止の法律ならびに規則は、我々が取引を行う市場を盛況にし、競争的にします。

アシックスは、自由かつオープンな競争を信頼し、反トラストおよび競争、賄賂防止ならびに腐敗行為防止の法律および規則を遵守します。アシックスは、我々が当該法律および規則に違反していると示唆する行為または違反しているかのように見える行為すらも回避します。役員および従業員は、価格または価格に影響を与える事項、生産水準または在庫水準、入札もしくは生産地域、販売地域、製品、取引先、サプライヤーの分割または反トラスト法および反トラスト規則違反を構成するその他の面について競合企業と話して合ってはならず、または競合企業と公式もしくは非公式の合意を締結してはなりません。 アシックスは、犯罪の収益を隠蔽する意図での財産または金銭の取得、保有、使用または支配を容易にするために用いられると分かっている合意またはそのように疑われる理由がある合意を締結することによる「マネーロンダリング」には参加しません。マネーロンダリングを疑う役員または従業員は、各社または各統括会社の内部監査またはグローバル内部通報ライン(「グローバル内部通報方針」を参照)に報告しなければなりません。

アシックスは、結託して競争入札を操作すること(談合入札)、カルテル、ダンピングまたは自由競争を妨害するその他の活動に関与しません。

4) 政治活動、慈善活動およびその他の活動

アシックスは、個人として政治活動に参加し、自らの時間や資源を与える役員および従業員の権利を尊重します。ただし、当該活動は業務中に行ってはならず、または我々の財産、機器もしくは名称を使用してはなりません。

慈善活動を支援する意欲はアシックスで奨励されますが、役員および従業員は事業利益を得ることまたはアシックスの最大の利益のために働く能力の妨げとなると思われる活動に参加することを避けなければなりません。

アシックスは、役員および従業員が自分たちの職務の適切な達成に全力を注ぐことならびに個人的活動または事業活動とそのような活動による経済的利害との(潜在的な)衝突を回避することを期待します。

利益相反を生じる可能性があるアシックス社外での雇用および(家族または知人経由での直接的または間接的な)経済的利害は、常に各社または各統括会社の人事部に速やかに書面で開示されなければなりません。

第三者に提供したサービスに関して受け取った金銭的報酬は、アシックスに提供されなければなりません。ただし、当該サービスが大部分従業員自身のプライベートな時間に提供される場合には、経営陣は当該報酬の全部または一部を保有する許可を従業員に与えることができます。同じことは非常勤での学術講演に関して受け取った報酬にも適用されます。

本規定は、自らのプライベートな時間に提供した、アシックスの本業に関連しないサービスの報酬には適用されません。

以下の場合にはアシックス社外でのスピーチまたはプレゼンテーションに関して、費用の弁済またはその他の支払を受ける前に、各社または各統括会社の人事部からの事前承認が必要です。

a) 従業員がアシックスの職務の一部としてスピーチまたはプレゼンテーションを行っている場合

b) アシックスでの従業員の業務についてスピーチまたはプレゼンテーションで述べている場合

c) 従業員がアシックスの従業員としてスピーチまたはプレゼンテーションで正式に認識されている場合

会社からの書面による事前承認を得た場合にのみ、従業員は他の営利目的の企業の取締役会の構成員としての役割を果たすことができます。従業員は、この承認は年に一度更新しなければなりません。

5) 製品およびサービスの安全性

アシックスは、安全性に関する適用法および適用規則を遵守し、安全な製品およびサービスを取引先に提供するために十分な品質管理体制を維持します。万一、我々の製品およびサービスを使用中に事故または安全上の問題が生じた場合、我々は誠実さを尊重する適切な措置を速やかに講じます。

6) 公正かつ透明な意思決定および支払

サプライヤーに関するビジネス上の決定は、提供される製品またはサービスの品質、価値および信頼性に基づいて客観的に行われなければなりません。アシックスは、我々の取引先が我々の製品およびサービスを選ぶときに同一の基準を適用することを期待します。我々が売買する製品またはサービスは、社内基準、外部規制および適用される契約上の義務を遵守するように説明、設計、生産、設置および提供されなければなりません。

アシックスは、正直かつ公正にビジネスを行うことを約束します。アシックスは、有利な取引条件または下請契約の決定を得る(もしくは維持する)機会の見返りとして、不正な支払あるいは有価物を与えたり、受け取ったり、そそのかしたりしません。

アシックスは、受け取った商品またはサービスの提供業者に対してのみ支払を行います。会社の製品またはサービスに関する支払は、当該会社の構成員に対してではなく、その会社に対して行われなければなりません。全ての支払は、各社または各統括会社の内部監査による監査に利用できる適切な会計帳簿に適切かつ公正に記録されなければなりません。「裏勘定」または秘密の勘定があってはなりません。いかなる支払も、代理人、コンサルタント、仲介業者、販売代理店、ディーラーおよびその他類似の関係者を通じて行われません。第三者に対して行われる支払は、第三者に対するものでなければなりません。いわゆる匿名の口座番号への支払は認められません。

手数料の支払の妥当性は、予定手数料、提供されるサービスおよび支払が行われるべき第三者について、関連する全情報に責任がある経営陣による十分な評価および査定に基づいて決定されなければなりません。第三者に対する手数料の支払は、当該当事者がアシックスに提供した明確かつ明白なサービスで証明されなければなりません。

第三者に対する報酬は、第三者が提供した正当なサービスに対する標準かつ合理的な価格を超えてはなりません。

第三者は、書面での契約により指名されなければなりません。

かかる全ての契約は登録されなければなりません。

第三者は政府の役人であってはなりません。

全ての第三者の名前および契約条件の記録は維持されます。第三者についての関連する全情報の記載された記録は、いつでも各社または各統括会社の内部監査による監査に利用できなければなりません。

7) 政府との契約、調達法および制限的取引慣行

アシックスは、全ての適用可能な輸出管理法、制裁ルール、法律および規則、とりわけ国連安全保障理事会が発するものを遵守します。

遵守できない場合は、アシックスに、輸出特権の拒否または停止、罰金、刑事罰および民事罰、および/または悪評といった重大な損害を引き起こす可能性があります。

アシックスは、我々が活動する国の輸出管理法ならびに反ボイコット法および反ボイコット規則を遵守します。アシックスの経営陣が承認しない限り、従業員は国際ボイコットと協力してはいけません。

製品、情報または技術の輸出入に関して、アシックスは、国内および国際の法律、規則および規制に従います。

政府機関と協働する役員および従業員は、当該業務に適用される法律および規則を知り、理解し、遵守する義務があります。役員および従業員は、オープンな雰囲気の中で、隠蔽、不正または利益相反をほのめかすと解されない状況下で、政府取引先代表者と協働しなければなりません。アシックスおよび政府契約に関してアシックスのために働くいかなる者も、我々の契約に関連する全ての適用条件および適用規定を理解しなければなりません。

5.社会および環境との関係

1) コミュニティ

アシックスは、技術革新を生み出し続け、質の高いライフスタイルのための製品およびサービスを生み出すよう努めています。アシックスは、取引先の意見を傾聴し、そうした意見を製品、サービス開発およびビジネス活動に反映します。

社会の構成員として、アシックスは、コミュニティ活動に参加し、スポーツ文化、健康等を通じてコミュニティの発展のために積極的に貢献したいと考えます。

2) 環境

アシックスは、グローバル企業市民として、環境の持続可能性に関して責任を負います。我々は生物圏の保護と再生による環境の持続可能性に取り組みます。

アシックスは、持続可能なビジネスを追求する中で、原則として、人、地球および利益の三つを守ります。

アシックスは、環境保全を保証することが重要な社会的責任であると認識し、持続的な発展が可能なグローバル社会の構築という課題に取り組んでいます。

アシックスは、資源やエネルギーを節約し、廃棄物を減らし、グリーン購入を進め、環境汚染を防止することによって環境への影響を最小限にするよう努めます。(「グローバル環境方針」を参照)

3) ビジネスパートナー

アシックスは、我々のビジネスパートナーとの互いに利益のある関係を追求します。アシックスは、自らの株主に対して公正かつ誠実に行動することを約束し、自分たちが活動する国々の適用法および適用規則を遵守するビジネスパートナーを認めます。

競合企業はビジネスパートナーとはみなされません。自由な市場競争の原則とは、アシックスが競合企業と競争するよう努めることであり、共謀しないことを意味します。この目的でアシックスは、「グローバル反トラスト・競争方針」を導入しました。(「グローバル反トラスト・競争方針」を参照)

4) コミュニケーション

公務員を含むアシックスの外部の者と取引を行う場合、役員および従業員は、アシックスまたは外部の個人、企業体もしくは政府機関の品位を傷つけないよう、または名声を損なわないように注意しなければなりません。アシックスのビジネスに関わる事項に関して公式に伝える場合、当該従業員が権利または権限を有する場合は除き、従業員がいかなる話題に関してもアシックスを代表して話をすることは禁じられます。広告を通じてコミュニケーションを取る場合、アシックスは、全ての広告、製品パッケージングおよび販売促進用資料が公正であり、事実に基づくものであり、誤解を招くおそれがないことならびに適用法および適用規則に従っていることを約束します。

6.一般条項

1) 記録保持および報告

組織としてアシックスは、政府当局に申請または提出される報告書および書類ならびに我々の全ての意見広告において完全な、公正な、正確な、適時の、かつ理解可能な開示を約束します。

我々の会計における正直さおよび透明性は、アシックスが我々のステークホルダーとともに築き上げた信頼を維持する一助となっています。経理/管理部門で働く全ての役員および従業員は、アシックスの会計原則およびアシックスの社内管理体制を遵守し、自分たちが作成または署名する書類が正確かつ真正であることを確認しなければなりません。

a) アシックスのビジネスおよび財務に関する全ての正確な記録は、下記に従って保管されます。これら全ての記録は明確でなければなりません。

1) 適切な期間内の取引を適切な勘定および部門で常に記録し、分類すること。予算目標を満たすために収入または経費の記録を遅らせたり、早めたりしないこと

2) 見積りおよび見越し額は適切な文書によって裏付けられ、最善の判断に基づいていること

3) 規制機関への全ての報告書が完全で、公正で、正確で、適時で、理解可能であることを保証すること

4) いかなる書類も改ざんしないこと

5) 取引の本質を歪曲しないこと

6) 税金を逃れるために、または現地の通貨法および通貨規則を妨害するために、他人の努力を利用しないこと。サプライヤーが合法的に支払を指定する場合または売掛債権を売却した場合を除いて、一般的に支払は商品またはサービスを実際に提供した企業の人に対してのみ行われなければならず、支払は、ビジネスを行い、商品が販売され、またはサービスが提供されたサプライヤーの本国で行われなければなりません

b) 全ての役員、従業員およびビジネスパートナーは、違法行為に気付いた場合には報告することが求められます。実際の違反または違反と疑われる行為に気付いた場合、できる限り速やかに報告しなければなりません。通常のレポートラインを通じて各社または各統括会社の法務部、内部監査または人事部もしくその他の担当部署またはグローバル内部通報ラインに連絡を取ることによってこれを行うことができます。グローバル内部通報ラインへの報告者は希望すれば匿名性を維持することができます。グローバル内部通報ラインへの連絡方法は「グローバル内部通報方針」に示されており、グローバル内部通報ラインへの全ての報告は「グローバル内部通報方針」に従って取り扱われます。

c) 違法行為を関係当局に報告し、その後の調査に全面的に協力するのがアシックスの基本姿勢です。

d) この章のb)項に基づき上記に直接報告される全ての懸案事象は、検討され、必要に応じて調査されます。

e) 当該事象を効率的に評価できるよう、報告を行う前に、個人のリスクを配慮しながら、できる限り多くの情報、証拠または関連書類を集めてください。

f) 内部通報をしたと思われる人に対する悪意のある報告やその他のいかなる種類の報復も容認されず、重大な不正行為とみなされます。アシックスの役員、従業員およびビジネスパートナーは、本規範および「グローバル内部通報方針」に従い保護されます。内部通報の結果生じたハラスメント、脅迫または不当な扱いについて懸念がある場合は、この章のb)項に従って直ちに報告することができます。

g) アシックスの全般的なビジネス状況および全体的な活動は我々の株主、投資家および取引先に適時の、適切な、正確な、かつ理解可能な方法で開示され、公表されるものとします。

2) 責任 世界中の全てのアシックスの役員および従業員は、本規範を熟読し、完全に理解し、常に遵守しなければなりません。質問または疑問は、記録保持および報告の章のb)項に従って送付しなければなりません。

経営陣には、アシックスのために働く全ての従業員および外部関係者が自らの責任の範囲内で確実に本規範を理解し、遵守するよう本規範を伝達する責任があります。

また、経営陣には従業員が本規範を理解し、本規範に関する問題に対処できるよう訓練する責任があります。

3) 違反の結果

アシックスは、オープンかつ正直なコミュニケーションを奨励します。誠意を以って懸念を表明し、または違法行為を報告する役員および従業員は本規範を遵守しています。問題を提起する人に敵対する行動を取ることは厳禁です。組織としてアシックスは、報復の報告を真摯に受け止めます。他の人に対して報復措置を取ったことが明らかになった者は本規範に違反しています。

本規範違反は、それぞれの状況の事実によって異なりますが、口頭による訓告から解雇を含む懲戒処分に至ることがあります。

4) ポリシー

以下のポリシーは、本規範の不可欠な要素です。


この規範は2020年3月27日より改正実施する。