トップメッセージ

新たな経営体制のもと、変化に対応できる持続的な成長体制を構築

環境変化に対応するための改革を推進

2017年12月で中期経営計画「ASICS Growth Plan(AGP) 2020」の2年目が終了しました。世界で健康志向が高まる一方、購買チャネルとお客様の嗜好の大きな2つのトレンドの変化が同時に進んでおり、その対応に向けた改革を進めていることから、2017年12月期の連結業績は増収減益となりました。2020年の目標も、進捗は非常に厳しい状況です。購買チャネルについては、世界的にEコマースへの移行が進む一方で、お客様との接点であった大手小売店の淘汰が進んでいます。そのため、ロンドン、東京、ニューヨークといった世界の中心都市で相次いで旗艦店をオープンするとともに、自社Eコマースの拡充を進めており、お客様との接点の再構築は着実に進んでいます。お客様の嗜好については、従来のようにフルマラソンのタイムを競うのではなく、スポーツを様々なイベントと組み合わせて楽しむ傾向が強まっています。そのため、シューズの開発拠点を最先端のトレンド情報が集まる米国・ボストンに設置するとともに開発体制の再編を行いました。新たな体制による商品開発は既に進んでおり、ライフスタイルシーンにも溶け込むデザイン性と機能性を兼ねえた新商品の投入を継続します。加えて、お客様と情緒的なつながりを築くため2017年8月より新たなブランドメッセージ「I MOVE ME(ワタシを、動かせ。)」によるキャンペーンをグローバルでスタートさせています。スポーツを取り巻く環境が大きく変わりつつあるなか、事業構造改革の成果を早期に顕在化させ成長軌道を回復させることが当面の最大の課題と認識しています。今回、中期経営計画の数値目標は修正いたしますが、選択と集中という方針の下、成長分野への経営資源集中と収益性改善により、持続的成長の礎を築きます。


米国ではトレンドの変化に対応してお客様との接点を再構築

最重点地域である米国では、米国内では初めてとなる、「アシックス」とスポーツライフスタイル向けの「アシックスタイガー」の2ブランドを取り扱う店舗を2017年12月にオープンしました。スポーツやファッションなど日常のあらゆる場面で質の高いライフスタイルを実現するシューズやウェアを提案できる新しいコンセプトの店舗であり、世界のスポーツトレンドの起点でもある米国でこうした店舗を出店することで、他の地域へも効果が波及することも期待しています。一方で、フルマラソンのタイムを競うシリアスランナーも重要なお客様であり、その信頼がすべてのランニングシューズのブランドイメージに影響します。革新的な高機能シューズを追求し、ランナーの足や走り方にあった最適なシューズの提案ができる専門性の高い店員の育成にも取り組んでいます。
欧州でも、米国と同様のトレンド変化が進んでいるため、事業構造改革などに取り組み、環境変化に迅速かつ的確に対応していきます。


中国など成長著しい新興国で顧客基盤を拡大

新興国市場での「顧客基盤の拡大」がAGP2020のコア戦略の1つであり、堅調に推移しています。特に中国では売上の2ケタ成長が続いており、マラソン大会が相次いで新設されるなど、ランニングがブームになっていることがトップブランドである当社にとって追い風となっていることに加え、スポーツファッションブランド「オニツカタイガー」も高い人気を誇っています。引き続きマーケティングを強化するとともに、自社Eコマースの拡充や現地の主要オンラインリテーラーとの協業を進めていきます。その他の新興国については、ロシア、アジア、中東、アフリカなど、今後の成長が期待できる国・地域において、さらなる売上の拡大と収益性の向上を進めていきます。


国内では新機軸の取り組みを通じて成長機会の創造に挑む

日本では、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会まで2年半となりましたが、当社がシューズでサポートしている陸上競技の桐生祥秀選手が日本人初となる100m9秒台を実現するなど、スポーツ界におけるムーブメントを高める契機となっています。東京2020ゴールドパートナー(スポーツ用品)として、製品・サービスの提供を通じて東京2020大会の成功に貢献するとともに、当社製品のアピールに努めていきます。また、他社パートナーとの協働を深め、スポーツへの関心の高まりをビジネスに取り込んでいきます。
加えて、日本では新たな取り組みを積極化していきます。野球日本代表「侍ジャパン」のダイヤモンドパートナー契約の締結、カフェやフィットネススタジオを併設した新施設「ASICS CONNECTION TOKYO」のオープン、学校法人立命館とスポーツを通じた人材育成などを目的とした包括的連携交流協定の締結など、当社の技術資産を活用して外部との連携を強め、国内市場におけるさらなる成長機会の創造を図ります。


持続的な成長に向けたマネジメント体制の強化

2018年3月29日付けで前会長兼社長CEOの尾山基が代表取締役会長CEOに就任し、廣田康人が代表取締役社長COOに就任しました。アシックスグループはこれまで事業のグローバル化を進めるとともに、外国籍の幹部や従業員を積極的に採用し、人財のダイバーシティを進めてきました。そしてさらに「AGP2020」およびその次のステージに向けてグループ一体となって事業を強力に推進、拡大していくためには、新たな体制が必要と考えました。新社長の廣田は三菱商事での経営者としての経験を生かし、多様な人財が生き生きと働き、それぞれの専門性を最大限に発揮出来る組織を構築し、グローバルレベルでの事業の強化・拡大と持続的な企業価値の向上に精一杯尽力してまいります。
株主の皆様におかれましては、一層のご理解とご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。


2018年3月

代表取締役会長C E O 尾山 基

代表取締役社長C O O 廣田 康人