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アシックスがサステナブルなモノづくり実現のため「3D Shoes Viewer」を開発 空間再現ディスプレイを用いてシューズの物理サンプル製作の削減を実現

2024.03.07 PRESS
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 アシックスは、このたび、ソニー株式会社が開発した空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display)を採用し、シューズの物理サンプル製作の削減などサステナブルなモノづくりを実現すべく、デジタルツール「3D Shoes Viewer(スリーディーシューズビューワー)」を開発しました。

 製品開発において、サンプル製作は必要不可欠です。一方で、大量のシューズサンプル製作は製品の生産ラインをサンプル製作用ラインに変更する必要があり、製品の生産効率の悪化だけでなく、作業員の長時間労働につながるなど多くの課題がありました。

 今回開発した「3D Shoes Viewer」は、実在感のある立体映像を裸眼で見ることができる空間再現ディスプレイを活用しており、実際のシューズがなくてもカラーや構造がわかるため、シューズ開発に欠かせなかったサンプル製作を減らすことができます。アシックスでは、デジタルサンプルなどを活用することで、従来の半数以下まで物理サンプル数を減少させ、サンプル製作に必要な時間やコストの削減とともに、工場の労働環境の改善に貢献しました。また、廃棄していた材料やサンプルも削減でき、環境に配慮した製品開発にも役立ちます。

 本ツールは、2023年11月に日本国内でおこなった展示商談会にも試験的に活用しており、実際にツールを使用されたお客さまからは、「非常にリアルで今後の活用が期待できる」「新色追加の物理サンプルはデジタルサンプルに置きかえられる」「省スペースで、アシックス製品の体験が可能になる」「今までできなかった客層や地域にもアプローチできる」などポジティブな評価をいただきました。今後は、国内の展示商談会における新色追加をデジタルサンプルに置きかえることを検討するとともに、ASICS China Trading Co., Ltd.など海外販社の展示商談会での活用や、ASICS Europe B.V.のショールームに設置するなどビジネスモデルの進化を目指します。さらに将来的には、新規アイテムのデザイン領域にも活用範囲を広げるほか、アパレルに関してもデジタルサンプルへの置きかえを検討していきます。

 さらに、本ツールは、発売前の製品が体感できる販売促進ツールとしての活用も予定しており、国内最大の旗艦店「アシックス原宿フラッグシップ」とランステーションを併設した総合型ストア「ASICS RUN TOKYO MARUNOUCHI(アシックスラン東京丸の内)」に3月11日から4月11日まで期間限定で設置します。ストライド型、ピッチ型の走法に応じてそれぞれ設計したトップアスリート向けのランニングシューズ「METASPEED PARIS(メタスピード パリ)」シリーズがデジタルサンプルで見ることができ、カーボンプレートやミッドソール(甲被と靴底の間の中間クッション材)が分解できるなど内部構造を確認できるほか、それぞれのシリーズを立体映像で比較することができます。

 今後は、直営店舗に在庫がないカラーが確認できる仕組みや商品陳列など売り場づくりにおいてもさらなる活用を検討し、デジタルを活用したブランド体験価値の向上を目指します。

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販売促進ツールのイメージ


 当社は、将来ありたい姿を表した「VISION2030」を2020年10月に策定し、拡張する事業ドメインに「プロダクト」「ファシリティとコミュニティ」「アナリシスとダイアグノシス」を定め、すべての事業ドメインに共通して「デジタル」と「サステナビリティ」を中核テーマに掲げています。また、2023年11月に発表した「中期経営計画2026」では、経営基盤の強化に向け、「真のデジタルドリブンカンパニーになること」「成長戦略に沿ったCO2削減推進」を目指しています。今回の取り組みは、これらの目標を達成するための一環として展開するものです。

 今後も引き続き、「3D Shoes Viewer」のさらなる活用を通じて、環境と社会に配慮した事業活動を推進していきます。

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