世界規模の研究調査により、女性の運動機会における障壁やコミュニティがもたらすポジティブな影響が明らかに。

2024.02.27 PRESS

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 アシックスは、このたび、運動におけるジェンダー格差を解消するための世界規模の研究調査プロジェクトを実施しました。本調査は、女性が運動やスポーツをする上での障壁、動機づけ、促進要因を明らかにすることを目的とし、さまざまな年齢、運動機会、地域における女性の運動、スポーツ参加に影響を与える要素を考察します。

 今回の調査は、世界各地から参加した24,772人のアンケート回答者と26のフォーカスグループから得たデータをもとに、ケンタッキー大学の助教授であるディー・ドルゴンスキー博士※1が主導し、キングス・カレッジ・ロンドンのブレンドン・スタッブス博士※2がサポートしました。また、日本国内においては、成城大学の研究機構であるスポーツとジェンダー平等国際研究センター副センター長の野口亜弥さん(文芸学部専任講師)に参画いただき、日本特有の文化や社会環境などを加味しながら分析いただきました。

 その結果、女性の運動機会と精神状態には相関関係があり、運動すればするほど気分がよくなることが分かった一方で、調査に参加した女性の半数以上が、「運動を一時的にやめている」または「完全にやめてしまった」という状態にあり、運動による身体的、精神的メリットを享受できていないことが判明しました。

※1 ケンタッキー大学スポーツ医学研究所の助教授で女性の運動と健康に関する研究者

※2 キングス・カレッジ・ロンドン勤務で運動とメンタルヘルス研究の第一人者

【主な調査結果のポイント】

・女性の運動機会と精神状態には相関関係があることが判明しました。調査に参加した女性は、定期的に運動していないときと比較し、定期的に運動しているときは幸福感が52%、自信が48%、集中力が38%増すという結果となりました。 また、定期的に運動していないときは、ストレスやイライラの度合いがそれぞれ67%、80%高まりました。

・半数以上の女性が思うように運動する機会をつくれておらず、運動による身体的、精神的メリットを享受できていないこともわかりました。主な理由は、「時間が足りない(74%)」、「安全な場所や環境がない(43%)」、「体力がなく、スポーツをする気分にならない(42%)」、「自信がない(35%)」などです。

・3分の1以上の女性が、自身の最大のインフルエンサーは、友人や自分と同じような女性であると回答。これは、有名人が影響力をもつ現代社会でも、女性はもっと身近な存在から運動や新しいスポーツを始めようとする可能性が高いことを意味しています。また、両親やパートナーも影響力があり、男女ともに女性のスポーツ参加にきっかけを与えうることがわかりました。なぜ運動するのかという質問に対しては、「身体的健康面でのメリット(96%)」、「メンタルヘルス(92%)」との回答がそれぞれ90%を超えました。

【調査概要】

調査背景:2022年に運動とメンタルヘルスの関係性における調査「ASICS State of Mind」 を実施した結果、世界的に男性と比較して女性は運動量が少なく、その中でも特に若い世代の運動時間が短いことが分かりました。その結果をふまえ、女性の運動機会を増やすために何をする必要があるかを明らかにするため、今回の調査を実施しました。

調査期間:2023年6月~9月

回答者数:40か国以上 24,959人※3(オンラインアンケート:24,772人 フォーカスグループインタビュー:187人)

調査方法:オンラインアンケート(定量調査)およびフォーカスグループインタビュー(定性調査)からなる混合調査方法

※3 調査した国:オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、韓国、日本、オランダ、ニュージーランド、サウジアラビア、シンガポール、スペイン、タイ、マレーシア、アラブ首長国連邦、英国、米国など

〇ディー・ドルゴンスキー博士のコメント

 ジェンダー間の運動格差は複雑な課題です。一朝一夕に生まれたものではなく、ひとつの方法で解決できるものでもありません。この調査を通じて、男女の運動格差を理解する上での重要な洞察を得ることができました。女性の運動機会を増やすためには、身体を動かすことをより身近に感じてもらい、女性がもっと運動しやすい環境をつくっていく必要があります。

〇成城大学研究機構スポーツとジェンダー平等国際研究センター副センター長(文芸学部専任講師)野口亜弥さんのコメント

 日本でのグループインタビューを通じて、女性が運動やスポーツに求める価値は、身体的なものに加え、精神的メリットとなる仲間とのつながりなども重視していることが分かりました。運動を行うことで健康になるということはもちろん大事ですが、人生をより豊かにするといった視点で運動を取り入れることもできます。また、運動と聞くと少し身構えてしまう方が多いため、運動に対するイメージを変えていくことも必要かもしれません。日常生活での身体活動、例えば自宅で掃除機をかけることなども運動としてとらえることで、みなさんの運動に対するイメージも変わってくるのではないでしょうか。運動にはさまざまな方法でアクセスすることができます。ぜひ、身体を動かすことを、より身近なものとしてとらえていただければと思います。

 アシックスは、すべての方の心身の健康に寄与すべく、運動とメンタルヘルスの関係性における調査などをこれまでにも積極的に実施しています。本研究の調査結果をふまえ、より多くの女性が仲間とつながり、前向きな気持ちになれるよう、運動やスポーツにまつわる活動、体験談を投稿する特設サイト「Move Her Mind Hub」を、2月27日に開設します。投稿は性別を問わずどなたでも構いません。詳細は下記の特設サイトをご参照ください。

〇特設サイト「Move Her Mind Hub

https://www.asics.com/mk/move-her-mind

〇株式会社アシックス 常務執行役員 甲田知子のコメント

 アシックスは、「健全な身体に健全な精神があれかし」を創業哲学に掲げ、誰もが一生涯運動・スポーツに関わり心と身体が健康で居続けられる世界の実現を目指しています。

 今回の調査は、多くの女性が自分の運動レベルに満足していないことを明らかにした一方で、運動やスポーツへの参加を奨励、鼓舞する地域の団体や個人が大きな影響を与えていることも明らかにしました。「Move Her Mind Hub」を立ち上げることで、つながり、インスピレーションを与え、みなさまの日常生活が心身ともにより健康で充実したものになることを願っています。

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