事例紹介/CASE STUDY
02:育児休業取得社員の働き方

株式会社アシックス

キッズプロダクト部

所属部署と普段の仕事内容を
教えてください。

産休前はウォーキングシューズの事業戦略やブランディングを担当する部署と、キッズプロダクト部を兼任していました。産休後は兼任先だったキッズプロダクト部に専属となり戦略チームの一員として働いています。

仕事内容は戦略チームという名称の通り、キッズシューズの戦略を練ること。キッズシューズと一括りにしても、普段履き、スポーツ、ランニングなど多種多様。そこでカテゴリーごとに分散している情報に横串を通して整理・分析したうえで、各部署に今後の展望についての提案をしています。また子どもの足の成長を予測するアプリ「ASICS STEPNOTE」の開発や運営にも携わっています。

産休前後のことについて
教えてください。

私が妊娠したのはちょうどコロナ禍で在宅勤務が普及しつつあったころだったので、仕事はギリギリまで続けていました。ただ、出産したのが双子だったので、体調が不安定になるのを見越して早い段階で上司への相談はしていましたね。コロナ禍で対面する機会が少ない中、自分の状況や思いを言語化するのに戸惑いはありましたが、当時の上司はそんな状況を踏まえたうえでしっかりとサポートしてくれたのはありがたかったです。

産休をとったのは2020年。1年半産休をいただきました。会社として産休・育休制度が整っているので、「仕事を辞める」という選択肢は始めからなかったですね。長い間入院していたこともあって、復職後は体力が持つかどうかが一番の悩みの種でした。ちなみに夫もアシックスに勤務しており私の部署のメンバーとも顔見知りだったので、産休中も会社の状況を逐一報告してくれたのはありがたかったです。おかげで1年半という長い産休期間ながらも、そこまで離れているという感覚はありませんでしたね。

仕事と家庭を両立するうえで
大変なことはなんですか?

元気いっぱいの双子の子守を無理してがんばるより、保育園の先生がたがしっかりと見守ってくれるところの方が子どもにとってもよいのではと考えていたので、預けることに対する葛藤は他の方よりは少なかったかなと思います。
ただ預けるからには、仕事以外のところではできるだけ時間を確保して子どもとコミュニケーションをとりたいと思っていたのですが…睡眠時間の確保含めそのバランスは今でも難しいですね。

私たち夫婦は、産休、育休、復職してからは時短勤務(私のみ)、在宅勤務、そしてフルフレックスなど、社内の制度をフル活用して働いています。1日の流れを簡単に説明すると、私が早めの出勤と退勤をして子どものお迎えから寝かしつけまでを担当、そのぶん夫は出勤を遅らせて、朝食の準備から保育園の送りまでをやっています。イレギュラーなミーティングが入ったときなどは、お互いに融通をきかせながら調整するようにしています。

夫は私が復職したタイミングで一ヵ月ぐらい休暇を取得しました。私にとっては仕事復帰の助走期間に、夫にとっては子どものごはん作りや買い物などの家事になれるためのいい期間になったみたいです。

「双子だから大変ですよね」と言われることがよくあるんですが、むしろ双子だったのが逆によかったとも思っています。1人だと夫婦のどちらかが主担当、もう片方がサポート役になりがちですが、双子だと夫婦で子育てをしないと回らない状況におのずとなるので(笑)。そういう意味では他のご家庭と比べたら、夫の育児への貢献度はすごく高いかもしれませんね。

「アシックス・ペアレンツ・コミュニティ」について
教えてください。

アシックスにはペアレンツコミュニティがあって、私も声をかけてもらい参加しています。メンバーはだいたい10人前後で、産休制度や先輩社員からの声や復帰後の流れなど、いろんな方の意見が聞けるのでありがたいです。

社内のチャットやオンラインミーティング、時にはリアルでのランチミーティングなども行っています。情報共有はもちろんですが、ライフステージが近い方とお話しする機会があるというのは心強いし、何より息抜きの場にもなっています。

ワーキングマザーとして、
今後アシックスでどのようなキャリアを
築いていきたいですか?

正直なところ、復職したら仕事やキャリアの面で可能性が狭まるのかなと思っていました。子育てをしながらだとどうしても時間や勤務体系に制約ができてしまうからです。俗にいう「マミートラック」ですね。

でも実際の職場では「育児しているから」といった理由で何かの妨げになったりすることはないですね。むしろ「こういうのがあるけどやってみる?」というふうに、選択肢を必ずこちらに持たせてくれるんです。昨年はオーストラリアへの海外出張もいかせてもらいましたし。10日間も家を空けたというと驚かれますが、社内ではそこまで珍しいことではないんですよ。

むしろ時間に限りがあるからこそ、タスクを整理して優先順位を決めて取捨選択しながら仕事が進められるようになりました。これは立場が上になれば普段から当たり前にやらなければいけないことだと思うので良い勉強の機会となりました。他の方に負担をかけてしまっている部分はあると思うのですが、そういう視点が持てたことは、自分にとってプラスだと感じています。

未来に向けた明確なビジョンを描けるほどの余裕がないのが正直なところなんですが(笑)、アシックスはいろんなチャンスをバックグラウンドに関係なく提案してもらえます。だから「ワーキングマザー」と言われても私自身そんな自覚はなくて、むしろ「ワーキングマザー」はあくまで私のプロフィールの1つぐらいにしか考えていないんです。

子育てをしている方にとってはアシックスは、働きやすい会社だと胸を張って言えます。私が就職活動をしていたときは、女性の働きやすさや子育てのしやすさ、復職している人の多さなどを逐一チェックするようにしていたのですが、今と比べるとその手の情報はとにかく少なかったです。今の方が就活をする上での情報収集はしやすくなっているかもしれません。

*記載内容は取材当時のものです。