事例紹介/CASE STUDY

ダイバーシティ&インクルージョン 実践ケース
03:育児休業取得社員の働き方

アシックスでは、多様な経験、価値観を持つ社員が働いています。その多様な背景に合わせて自律的に働くことができる環境の整備にも積極的に取り組んでいます。

近年、女性の社会進出と共に、勤労者世帯の過半数が共働き世帯となっている中で、男性も子育てができる環境づくりが求められています。

内閣府男女共同参画局が主導する「男性育児休業取得促進事業(イクメンプロジェクト)」によると、男性の育児休業取得率は上昇傾向にあるものの5.14%(厚生労働省「平成29年度雇用均等基本調査」)。アシックスにおいても、女性の100%に対して男性は7.8%(*2018年度)とまだまだ高いとは言えませんが、今後も政府目標である2020年の男性の育児休業取得率13%の達成を目指して積極的に取り組んで参ります。

今回は取り組み事例として、実際に育児休業制度を利用した男性社員3人に話しを聞きました。



1ヶ月の育児休業取得でわかった、育児の大変さ、尊さ。
経験を活かし、家庭とキャリアアップを両立させていきたい。

T.Y(地域戦略統括部 2010年入社)

■育児休業取得の背景
CSRを推進する部門で従業員の労務環境を管理する仕事をしていた経験もあり、当社が働き方改革を推進し、さまざまな制度※を整えていることは知っていました。私自身、結婚した当初から、子どもを授かったら育児休業を取得し当事者として育児がしたいと考えていたので、妻の妊娠5ヶ月の安定期を待って上司に育児休業取得の相談をし、準備をはじめました。

周囲の理解や協力もあり、おかげさまでスムーズに育児休業に入らせてもらうことができました。両親などのサポートも受けながら妻と一緒に育児に奔走する1ヶ月。ミルクをあげたり、お風呂に入れたり、おむつを替えたり、家事をしたり。日々新しいことが起きて、1日たりとも同じような日がない新鮮な毎日。手伝いとかサポートというサブ的な立場ではなく、育児の当事者として「父親」をスタートしたいと思っていた私の思い通りの時間を過ごすことができました。今は仕事に復帰しましたので子どもと接する時間は減りましたが、妻に任せきりにせず、一緒に子育てをしている実感があります。

※アシックスの働き方改革・支援施策はこちら
https://corp.asics.com/jp/csr/diversity/support


■仕事の環境・周囲との信頼関係
私の職場でも、以前は、業務ごとに担当を置き、基本的にはその担当者がすべての業務を完結する形で仕事を進めていました。ですが、最近はメインとサブというように、複数人が担当するような形に変化してきています。これは今回のように育児休業を取りやすくしたり、緊急時でも業務が滞らないように工夫しているのだと思います。

おかげで、業務そのものの引き継ぎはスムーズにできましたし、上司や同僚も、「初めての子どもの育児というのは一生に一度しかない機会。ぜったい良い経験になるからがんばって」と快く送り出してくれ、本当に感謝しています。


■育児休業を経て感じたこと
社会人になってから初めての長期休業で、上司も「いい経験になる」と送り出してくれたため、少し楽しみにしていましたが、実際には睡眠不足との戦いで毎日クタクタでした。お子さんがいる社員のみなさんが、家庭の状況も考慮しつつ打合せや出張のスケジュールを入れていること、中にはそれを時短勤務でこなしているということも実感することができました。前々から「すごいな」とは思ってましたが、「いや、ほんとにすごいな」と。今はその重みが違う気がします。

1ヶ月という長期休業をいただきましたが、現在は新たなキャリアとして海外販社のビジネスを支援する業務に挑戦しています。子どもも1歳を超え、生活のリズムもできてきたように思いますので、家庭とも両立しつつさらなるキャリアアップを目指していきたいと思います。

最後に、育児に関わった1ヶ月は父親としての自覚が芽生えた大変貴重な時間であったと感じましたので、今後機会がある方には積極的に取得することを検討してほしいと思っています。

障がいをもって生まれた子どものために取得した120日間の育児休業。
マネジャーに昇格して知った、管理職としての責任。

T.Y(IT統括部 2008年入社)

■育児休業取得の背景
私の子どもは、重度の低酸素脳症で生まれました。肢体が不自由で、今も完全介助を必要としています。このような事情もあって4ヶ月の育児休業を取得したのですが、もともとは育休を取ることは考えていませんでした。突然のことで、通院介護や仕事をただこなすことで精一杯でしたが、1ヶ月ほどが経った頃、同僚の育児休業取得を思い出し人事部に相談したところ、結果的に4ヶ月の休暇を取得することができました。

育児休業を取得してからの最初の2ヶ月間、子どもは入院していたため、妻と私とで12時間交替で病院に通いました。この期間の子どもの世話は、妻ひとりではどうにもならなかったと思います。正直に言うと、「仕事をやめることになってもしかたがない」と思っていました。

いざ育休取得をしようと社内で相談したところ、いろんな制度を使って仕事を続けながら子どもを見ていくことができるとわかりました。とてもありがたかったですね。

■周囲との信頼関係
私はIT部門で仕事をしているのですが、ここでの業務は基本的に担当が明確に決められています。自分が不在になることで業務に支障をきたすのではないかというような不安もありましたが、日々、上司や同僚と連携していたこともあり、急だった割には引き継ぎはスムーズにできました。

4ヶ月後の復帰時は、元々自身が参画していたプロジェクトにスムーズに復帰できました。振り返ってみると、突発的ではありましたが、周りのサポートを得て1つの壁を乗り越えることができた事に、とても感謝しています。


■育児休業を経て感じたこと
実は最近、マネジャー(管理職)に昇格したのですが、管理職研修で「人事査定においては、直近の業績や出来事にとらわれず、期間全般の行動から評価すること」ということを教わりました。

私が昇格したのは育休明けすぐのことです。突然の休職では間違いなく様々な迷惑を掛けたと思いますし、4ヶ月というのは休暇としては短くない期間だと思います。ですが、そうしたことに引っ張られずに評価してもらえたことは嬉しかったですし、自分も部下に対してフェアに評価をしなければ、と責任の重さを実感しました。

マネジャーとしては、メンバーみんなが働きやすい環境づくりに努めたいと考えています。IT統括部は、外国籍の社員が多い多国籍なチーム。もともとオンオフ・メリハリのある働き方を推奨する雰囲気があります。今後も会社の両立支援制度などを活用しながら、多様なメンバーが活躍できる風土を作っていきたいと思っています。

今では子どもは退院し、家で過ごしていますが、肢体重度障害のため完全介助が必要です。妻と二人三脚での生活は大変なことの方が多いですが、4ヶ月の育児休業の期間で妻ととことん向き合うことができたことは大きかったです。この経験を通じて、家族の絆は更に深まったと思います。


妻と二人三脚での育児、そしてグローバル部門での仕事。
あらゆる制度をフル活用し、柔軟な働き方を実践。

K.K(フットウエア生産統括部 2009年入社)

■育児休業取得の背景
私たちは、夫婦2人ともアシックス社員で、ともにグローバル部門で仕事をしています。時差のある相手との早朝や夜のミーティングなどもあり、独身時代や、結婚してもまだ子どもがいない頃は、自分自身の予定優先でスケジュールを組んでいました。

それが、結婚して3年後に子どもを授かったことで変わりました。産休育休など様々な制度について調べ、夫婦でいろいろとプランを練りました。いちばん危惧したのは、保育園探し。もし条件に合うところに入れなかった場合、妻の職場復帰が希望の時期より延期になってしまうため、その時は自分が妻と交代で育休を取ろうと考え、私も1日だけ育児休業を取得しました。

結果的には保育園に入れましたので、妻が仕事に復帰し、自分が育児休業を取得して「主夫業」をするという機会は訪れませんでしたが、それも面白かったかなと思っています。育休復帰後は、フレックス、時短、在宅勤務など活用できる様々な制度※を駆使しながら、仕事と育児を2人で両立しています。

※アシックスの働き方改革・支援施策はこちら
https://corp.asics.com/jp/csr/diversity/support


■柔軟な働き方
私たちの業務は、世界各地域が対象になります。朝7時からブラジルと会議。出社してから時差の少ない中国、インド、オーストラリアに対応。夜になるとヨーロッパ対応…と時間の区切りがつけにくい仕事で、大変なこともありました。この辺りの環境が大きく変わったのは、2018年に働き方改革の一環で勤務形態がフルフレックスに切り替わってからですね。対応時間に応じて勤務時間を変えたり、海外対応で業務上必要な場合は、在宅で会議に参加したりと柔軟性が出てきて、とても働きやすくなりました。

実は今、2人目が生まれたばかりで妻が育休中です。もう少ししたら妻も仕事に復帰するので、2人の子どもを保育園に送ってから出社、という毎日が始まります。妻が早朝ミーティングがある日は私が子どもを保育園に連れて行き、そのかわりお迎えは妻が行く、逆のときは、私が早く出社して、逆にお迎えに行くために17:03発の電車に飛び乗る、という感じになるかと思います。慌ただしいですが、それも楽しみですね。

■育児休業を経て感じたこと
1人目を授かった時、先輩や同僚から、「子どもができると責任を負うことも増えるので仕事に対するモチベーションも上がるよ」と言われていました。私も妻も、入社前からアシックスのシューズを愛用しており、どうすればこの商品の価値を世界中の人に伝えられるだろうか?ということを四六時中考えているので、仕事に対するモチベーション自体は以前と変わらず高く保っています。家でも、子どもの世話をしながら2人で会社の話をしているぐらいなので。


加えて、先日、マネジャー(管理職)に任命していただきました。期待してもらえていることは嬉しく思っています。

これから2人の子どもの送り迎えなども始まると、急に熱も出すだろうし、男の子2人なので怪我もするだろうし、いろいろ待ち構えているだろうな、と両立へのプレッシャーはありますが、折角いただいた機会ですので期待に応えてチームを引っ張っていきたいと思っています。新入社員、働くママ、私より年上のメンバーもいる、なかなかバラエティに富んだチームですが、メンバーみんなが気持ちよく働ける職場作りができるマネジャーになれるよう頑張りたいです。そして、ライフイベントを迎える機会があったら、結婚や出産、育児など、大変なこともあるけれど、自分たちの経験も一つのヒントにして、それぞれに合った方法を見つけてほしいと思いますね。