PERSONAL INTERVIEW #02

株式会社アシックス
パフォーマンスランニングフットウェア統括部
開発部(開発職)

2017年入社

アシックスを選んだきっかけは?

科学の視点で人間を研究しながら、より良い製品を生み出す仕事がしたいと考えていたんです。そう思うようになったのは、中学から高校まで陸上部で活動する中で、人間が走る動きそのものに興味を持ったことがきっかけでした。大学では人間工学を学び、大学院ではバイオメカニクスの研究にも携わり、自然とその知見を自分の好きな陸上というスポーツに生かしたいと思うようになりました。
アシックスはスポーツ工学研究所という研究施設を持ち、科学に基づいた製品設計を得意としています。「こうすればもっと速く走れる」「ケガを予防できる」といったように、ロジカルな開発がアシックスならできると思ったんです。

学生時代に夢中になったことは?

大学から大学院にかけて5年間続けた、結婚式場のサービススタッフのアルバイトです。私自身はもともと接客業が苦手で、やりたいとは考えていませんでした。ただ就職するときは自分の好きな仕事を選ぶと決めていたので、学生のうちにあえてやりたくないことに挑戦しようと思ったんです。
でも実際にやってみるとすごく面白い仕事でした。あるとき、結婚式当日が入籍記念日だという新郎新婦さんがいらっしゃって、式のあとにお祝いとして紅白のカクテルを作ってお出ししたことがありました。すると本当に喜ばれ、後日そのご夫婦からお手紙までいただいたんです。実は自らトライしたことでちゃんと結果が出た経験はこれが初めてでした。大学の勉強や研究から直接的なフィードバックが得られる機会は少なかった分、とても印象に残っている思い出です。

今の仕事内容について
具体的に教えてください。

現在所属するパフォーマンスランニング開発チームでは、レース用からトレーニング用まで、さまざまなマラソン向けシューズの開発を行っています。私はその中でもトップアスリートのためのシューズを作るC-projectのメンバーで、主に「METASPEED」というレーシングシューズを担当しています。
開発の仕事は、材料構成や機能構造の検討から、工場で製造してもらうための仕様書の最終確定まで、複雑なプロセスを要します。C-projectにおいては、アスリートひとりひとりの声や走行実験によるデータも重視するのでさらに複雑です。そうした中でアシックスがこれまでの研究で培ってきた知見や研究者のアドバイス、アスリートからのフィードバックなどから総合的に判断をして、ベストな答えを導き出すことが求められる仕事だと思います。

仕事のやりがいは?

自分が手掛けたシューズとして初めて世に出た、建築家・隈研吾さんとのコラボモデル「METARIDE AMU」が忘れられません。私は大学で建築を学ぶ機会があったので、隈さんの作品をよく知っていたんです。そこで社内デザイナーの案とは別に自分なりのデザイン案も制作したところ、何とそれが構造ベース案として採用されることに。実際に商品が発売されると、オンラインショップでは販売開始から6分で完売。店舗でも長蛇の列ができるほどの話題作となり、その後の自信に繋がる貴重な経験ができました。

仕事で困難に直面したエピソードと、
それをどう乗り越えたのか
教えてください。

C-projectは社運を賭けた社長直轄のプロジェクトということもあり、プレッシャーは常にありました。テストを重ねても思うような結果が出ずに焦っていた中で、プレッシャーに押しつぶされずに済んだのは、先輩方や研究チームの方たちの言葉があったからです。失敗を責めるのではなく改善ポイントを的確にアドバイスしてくれますし、良くなっている部分についてもしっかり目を向けてくれる。だからこそ物怖じせず、積極的に開発業務が進められたと思っています。

アシックスの職場環境について
教えてください。

私が自信を持って仕事をできているのは、職場の雰囲気によるところがとても大きいです。先輩も上司も若い社員の発想を取り入れることに積極的で、「意見やアイデアはどんどん出していいよ」と言ってくれます。アシックスらしいのはそこで話を聞くだけではなく、実際に形にしてみようとサポートしてくれるところ。世に出ていない試作品は他社よりずっと多いのではと思うほど、いろいろなチャレンジをさせてもらっています。

これから応募しようとしている人に、
アシックスはどんな会社だと
説明しますか?

社歴や年齢を問わず、強い想いがあればどんどんチャレンジさせてくれる会社です。先にお話しした隈研吾さんとのコラボモデルでデザインが採用されたのも、私がまだ入社3年目のときでした。実はこのプロジェクトの初期段階では、社内デザイナー提案をベースにした試作品作成が決まっていました。時間が限られていたこともあり、デザイナーではない私の案はプレゼンすることが叶わなかったんです。仕方がないことではあったのですが、それでも諦めきれなかった私は当時のマネージャーに直談判。すると試作品を作って隈さんに提案するチャンスを貰うことができたんです。若かった私が自分の思いを貫くことができたのは、普段から壁のないフラットな社風があったからこそだと思います。

アシックスに向いているのは
どんな人だと思いますか?

エンドユーザーの顔を思い浮かべながら仕事ができる人ですね。シューズの開発において、「このシューズはこうあるべき」という強い信念を持つことは大切ですが、独りよがりではいけません。その点アシックスでは「履く人に喜んでもらいたい」という大前提が徹底されていて、みんなが同じ目線で開発をしていると感じます。だからこそアシックスは良いシューズを作り続けられているのだと思います。

今後チャレンジしてみたいことは?

C-projectのメンバーとしては、ひとりでも多くのアスリートが表彰台に立ち、自己ベストを更新できるような、より良いシューズを作っていくことが目標です。その積み重ねによって、ゆくゆくはアシックスが日本のレーシング市場のシェアを取り戻し、No.1ブランドに返り咲くことに繋がっていくと考えています。
また将来的には海外出張や駐在を経験してみたいですね。グローバルな視点を培ってより多くの人たちにアシックス製品を届け、アシックスというブランドの価値を高めていきたいです。

*記載内容は取材当時のものです。