アシックス、ORPHE、セルソースが医療分野で共同研究 スマートシューズを用いた変形性膝関節症の改善効果の定量化に向けた取り組みを開始
2021.11.16 PRESS株式会社アシックス(本社:神戸市中央区、代表取締役社長COO:廣田康人、以下「アシックス」)とスマートシューズを開発する株式会社ORPHE(本社:東京都渋谷区、代表取締役:菊川裕也、以下「ORPHE」)、再生医療関連事業のセルソース株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 CEO:裙本理人、以下「セルソース」)はこのたび、スマートシューズを用いた医療分野での共同研究を開始することに合意しました。まずは、潜在的患者数が多く、膝の痛みや歩行困難などで日常生活に支障をきたす恐れのある「変形性膝関節症」の改善に向け、治療を行う患者の歩容(歩行の特徴)を定量化することを目的とした共同研究を実施します。
共同研究では、セルソースの提携医療機関で再生医療などの治療を行う変形性膝関節症の患者にセンサが内蔵されたシューズを履いていただき、センサを通じて得られた歩容データをアプリケーションにて記録・分析します。シューズは、アシックスとORPHEが共同開発したランニングスマートシューズ「EVORIDE ORPHE(エボライドオルフェ)」をベースとして新たに開発するもので、履いて歩くだけで患者のストライドやピッチ、接地の角度や着地衝撃などを計測することができます。このセンシング技術を用いて治療前後の歩き方を比較、定量化します。得られた数値は痛みや機能回復の程度を評価する一助となることが期待されます。
今後は、再生医療などによる治療と歩容データのフィードバックを活用したリハビリを組み合わせた療法の可能性も検討していきます。
また将来的には医療機関と連携し、患者の歩容データから運動機能に障害が現れる兆候を予測するなど、予防医療の分野につなげることも視野に入れています。まずは変形性膝関節症の分野において、三社協働で共同研究を推進していきます。
当社は、将来ありたい姿を長期的な視点で表した「VISION2030」の中で、「アナリシスとダイアグノシス(分析と診断)」の事業ドメイン強化を掲げています。今回の共同研究もその一環で、当社が長年つちかってきた知見とセンシング技術によって収集されるデータに基づいた分析診断を通して、一人ひとりの健康およびパフォーマンスの維持・向上のサポートを目指します。今後も「VISION2030」のもと、お客さま一人ひとりに最適な価値を提供することで、健康的で豊かなライフスタイルの実現に貢献していきます。
参考:変形性膝関節症は、膝のクッションの役割を果たす軟骨が磨り減ることで膝関節に炎症が起きる病気であり、日本における患者数は2,530万人※と推定されています。
※Yoshimura N, et al., J Bone Miner Metab 27: 620-628, 2009
株式会社アシックス
創業哲学に「健全な身体に健全な精神があれかし」を掲げ、世界中のすべての人々の心身の健康に貢献する製品やサービスを提供しています。人間の運動動作に着目・分析し、独自に開発した素材や構造・技術を用いることで、アスリートだけではなく、世界の人々の可能性を最大限に引き出す技術・製品・サービスを生み出すことに努めています。私たち誰もが一生涯運動・スポーツに関わり心と身体が健康で居続けられる世界の実現を目指しています。
公式サイトhttps://corp.asics.com/jp/
株式会社ORPHE
「足元から世界を変える」をミッションに掲げ、創業以来スマートシューズの研究開発を行なっています。提供するスマートシューズプラットフォーム「ORPHE(オルフェ)」は靴内のセンサから歩容解析を行い、履いているだけで歩行速度、着地角度、着地衝撃といった様々な指標を記録することを可能とします。今後はこの技術を医療・ヘルスケア分野へ応用し、誰もが日常的に使う靴がインタフェースとなることで、あらゆる人の健康寿命を延ばし、楽しく歩き続けられるような社会を実現していきます。
公式サイト https://orphe.io/
セルソース株式会社
再生医療の産業化推進を目的とし、再生医療を提供する医療機関さまへの法規対応サポートと、脂肪由来幹細胞や血液の加工受託を行う再生医療関連事業を展開しています。再生医療等安全性確保法にもとづく特定細胞加工物製造許可施設(施設番号:FA3160006)にて27,000件以上の細胞等加工を受託しており、豊富な実績をもとに医療機関さまに安心してご利用いただけるサービスの提供と、研究・技術開発に努めています。
公式サイトhttps://www.cellsource.co.jp