世界初となるセルロースナノファイバー活用シューズの商品化を評価! 「第2回 日本オープンイノベーション大賞選考委員会特別賞」を受賞

2020.02.14 PRESS

 アシックスは、このたび、国立大学法人 京都大学(以下「京都大学」)、地方独立行政法人 京都市産業技術研究所(以下「京都市産業技術研究所」)、星光PMC株式会社(以下「星光PMC」)とともに、「第2回 日本オープンイノベーション大賞選考委員会特別賞」を受賞しました。

 「日本オープンイノベーション大賞」は、日本のオープンイノベーションをさらに推進すべく、今後のロールモデルとして期待される先導性や独創性の高い取り組みを称えるものです。今回受賞した「選考委員会特別賞」は、選考委員会の審査において、顕著な取り組み等が認められた個人または団体に対して授与される賞です。

 今回は、当社が2018年6月に販売を開始した、世界で初めてセルロースナノファイバー(以下「CNF」)を活用して商品化したランニングシューズ「GEL-KAYANO 25(ゲルカヤノ 25)」シリーズでの取り組み等が評価され、受賞に至りました。
 CNFは、鋼鉄の5分の1の軽さでありながら、その5倍以上の強度を有するとされるナノサイズ(1 nmは1mmの100 万分の1)の極細繊維です。植物由来であり、地球上にあるほとんどの木質資源を原料にできるため、資源的にも非常に豊富な素材です。そのため自動車や家電など、さまざまな分野で次世代の産業資材として注目されており、循環型低炭素社会の実現にも貢献できる素材として、近年盛んに研究開発が行われています。

 しかしながら、CNF複合材料の実用化には多くの技術的、経済的な課題がありました。これらの課題を解決するため、京都大学および京都市産業技術研究所を中心とした産学官・異分野連携が新たな製造方法を開発しました。その後、当社が星光PMCと共同でCNFをシューズのミッドソール(甲被と靴底の間の中間クッション材)へ適用することに挑戦し、軽量化と強度・耐久性という相反する機能を高次元で両立させることに成功しました。

 現在では、当社の歴史の中で最も革新的な機能を搭載した「METARIDE(メタライド)」、日本を代表する建築家の隈研吾氏とコラボレーションした「METARIDE AMU(メタライド アム)」など、当社複数モデルのシューズに本材料を展開し、全世界で累計700万足以上販売しています。

【日本オープンイノベーション大賞選考委員会特別賞 概要】
 受賞対象名
  異分野連携による構造用セルロースナノファイバーの社会実装と価値共創 
  ~森とシューズをつなぐ~

 
受賞対象者
  国立大学法人 京都大学 生存圏研究所 教授 矢野浩之
  地方独立行政法人 京都市産業技術研究所 研究フェロー 北川和男
  星光PMC株式会社 代表取締役社長 滝沢智
  株式会社アシックス 執行役員兼スポーツ工学研究所 所長 原野健一

 当社は、中期経営計画「ASICS Growth Plan (AGP) 2020」のコア戦略の1つに「差別化されたイノベーションの創出」を掲げ、積極的に外部リソースを活用し、イノベーションを加速させることに取り組んでいます。このたびの取り組みもその一環で、今後もお客さまのライフスタイルや体験に大きな変化をもたらす革新的な商品・サービス・プロセスの創出とともに、持続可能な社会への貢献を目指し、社外の先進的な知見やテクノロジーを積極的に取り入れていきます。

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