製造における環境負荷
これまでの製品のライフサイクルアセスメント(LCA)の取り組みから、シューズ製品に関連したCO2排出量の多くが製造工程や材料調達で発生していることが分かりました。アパレル製品の場合は、製造段階と製品の洗濯における環境負荷が多くを占めます。サプライチェーンにおけるステークホルダーとの協働を通じて、これらの環境負荷の低減に取り組んでいきます。
2030年CO₂排出量削減目標の達成に向けて
2030年までにCO2排出量削減目標を達成するために、取引工場と積極的に連携し、1次生産委託先工場でのエネルギー使用量を2015年比で50%削減します。また、再生可能エネルギーへの切替えを支援し、1次生産委託先工場での使用電力を85%再生可能エネルギーに切替えることを目指します。
バリューチェーン全体の気候変動への取り組み
バリューチェーン全体で気候変動への取り組みを行うにあたり、サプライヤーとの協働は不可欠です。2023年には、フットウエアの戦略的一次生産委託先工場がグリーン調達方針の要件を達成できるよう対話とサポートをし、80%が1.5℃水準の削減目標を設定および開示し、90%が再生可能エネルギー調達計画を策定、順次導入しています。ベトナムとインドネシアのサプライヤー3社は、屋上にソーラーパネルを設置し、再生可能エネルギーを調達、その他のサプライヤーでも、グリーン電力証書などが導入されました。
ベトナムにおける再生可能エネルギー推進の重要施策である直接電力購入契約(DPPA)の実現に向け、ONE-VALUEとDPPA需要調査に協力しました。サプライヤーと連携しながらバリューチェーン全体で循環型ビジネスモデルへの移行に取り組んでいます。
※ONE-VALUEは、経済産業省より「ASEAN各国の新制度などを活用した需要家主導の再エネ投資促進事業」を受託し、DPPAの需要調査を行っています。
グリーン調達方針
アシックスグリーン調達方針では、サプライヤーに次のことを要求しています。
- 1.5 度目標を設定する
- 石炭を使用しない
- 具体的な再生可能エネルギー調達計画を持つ
- エネルギー節約に継続的に取り組む
- Higg FEM を使用して自社の環境影響を理解し、管理する
*詳細については、CDP質問票をご覧ください。
*サプライヤーインセンティブの詳細については、CDP質問票C4.1aをご覧ください。
*サプライヤーエンゲージメントの詳細については、CDP質問票C12.1aをご覧ください。
*詳細については、CDP質問票C1.3aをご覧ください。
当社のグローバル環境方針に基づき、当社はパートナー工場と緊密に連携し、増加する自然災害などの気候関連の影響により工場が影響を受けた場合に、労働者の安全を確保し、適切な扱いを受けられるようにしています。
Higg FEMによる分析
当社のサプライチェーンにおける環境負荷の15%以上は1次委託先工場に起因し、2次委託先工場やそれより上流のサプライヤーに起因する環境負荷はさらに大きいです。当社は戦略的パートナーである1次委託先工場と主要2次委託先工場に、サステナブル・アパレル連合(SAC)のヒグ工場・施設環境モジュール(Higg FEM)への回答を通じて、環境データや取り組みの共有をお願いしています。Higg FEMを通じて、取引工場のサステナビリティ戦略全体や環境サステナビリティをどのように管理しているかの理解を深めています。
1次委託先工場の環境負荷の低減
当社は、1次委託先工場と密に連携し、工場での環境負荷の低減につながるよう、製品設計や製造工程の改善に取り組んでいます。また、工場での環境マネジメントシステムの導入を推奨し、ベストプラクティスを共有しています。
石炭の段階的廃止
当社は、WFSGI の会員として、ファッション業界の気候行動憲章に継続的に取り組んでいます。これには、所有およびサプライヤーの拠点 (ブランドの場合は1次委託先工場 および2次委託先工場、生産者の場合は直接のサブサプライヤー) からの石炭の使用をできるだけ早く、遅くとも 2030 年までに段階的に廃止することが含まれます。
当社は、フットウェアの1次委託先工場およびサプライヤーにおける石炭の使用を段階的に廃止しました。この方針を2次委託先工場およびサプライヤーに拡大する予定です。