着て投げるだけで野球の投球フォームを評価! 「投球動作解析e-skinシャツ」を共同開発
2019.11.18 PRESS アシックスは、このたび、スマートアパレル「e-skin」を展開する株式会社Xenoma(ゼノマ、本社:東京都大田区、代表取締役CEO:網盛一郎)と、着て投げるだけで野球の投球フォームを評価することができる「投球動作解析e-skinシャツ」を共同開発しました。
本製品は、身体の動きを計測するモーションセンサーや、各関節部位の動きを計測するストレッチセンサーを搭載しながら、着心地の良さと優れた洗濯耐久性を有しているのが特徴です。アシックススポーツ工学研究所が持つ人の形状や動きに関する豊富な知見とともに、製品開発を通じて蓄積してきた動作時の皮膚のひずみに関するデータなどを活用することで、投球動作解析に特化したウエアを実現しました。
従来は、モーションキャプチャーシステムによる投球動作解析が一般的でしたが、光学式マーカーやカメラといった高価な設備を必要とし、計測環境にも制限がありました。また、計測を通じて得られた各関節角度や角速度といったデータから、指導現場で用いられる「身体の開き」や「胸の張り」といった具体的な表現まで落とし込んで理解するためには、専門的な知見が求められました。
本製品はこれらをふまえ、着用して投げるだけで計測できるようにしながら、身体が開く速さや胸の張り方など投球において重要となる動き、見た目や映像では判別が難しい投球動作の細かな特徴を即時に抽出し、評価することを可能にしています。
今後は、当社が提供しているベースボール能力測定プログラム「ASICS BASEBALL Lab.(アシックスベースボールラボ)」で、2020年から本製品を導入する予定です。
当社は、中期経営計画「ASICS Growth Plan (AGP) 2020」で「デジタルを通じたスポーツライフの充実」をコア戦略の1つに掲げ、デジタルの力を活用し、お客さまがスポーツから得る充実感をさらに高めることを目指しています。今後もデジタル技術を駆使した最先端のサービスを創出し、お客さまのスポーツ体験に新たな価値を提供していきます。
「投球動作解析e-skinシャツ」着用の様子
〇「ASICS BASEBALL Lab.」について
野球に必要な能力を「体格」「体力」「動作」の3つの観点から13項目の測定、評価
を行うサービスです。2013年末からアシックススポーツ工学研究所、さまざまな学校
や施設などで実施しており、これまでに小学生からプロ野球選手まで、5,000名を超
える選手に利用されています。本サービスは、スイングを毎秒1,000フレームの高速
カメラ2台で撮影するスイング計測機「SWING ID(スイングアイディ)」と、捕球
するまでの反応時間とボールコントロールなどをはかる「守備反応速度計測」をメインと
しています。
また、昨年から投手に向けて、硬式ボールにセンサを内蔵した投球測定用ボール「PI
TCH ID(ピッチアイディ)」を導入しています。
今後は「投球動作解析e-skinシャツ」の活用を含め、内容を一層充実させるとともに、
より多くの選手が活用できるよう利便性の向上などにも取り組みます。
「ASICS BASEBALL Lab.」の実施風景
〇株式会社Xenomaについて
東京大学・染谷研究室/JST ERATO染谷生体調和エレクトロニクスプロジェクトのスピ
ンオフとして設立されました。「e-skin」は軽くて着心地が良く、洗濯も可能な普通の
「服」でありながら、多種・多点のセンサーを搭載してユーザーの情報を取得できる
Xenomaのスマートアパレルブランドの総称です。「e-skin」を通じて、日常生活における
楽しみや利便性を向上し、さらに安心安全な社会の実現に貢献するための「予防医療」に
繋がる製品やサービスを開発、提供しています。
〇ご参考(2018年5月28日付けプレスリリース)
投球時の回転数を解析する野球ボール「PITCH ID」を開発
https://corp.asics.com/jp/press/article/2018-05-28-1