業界連携と製品での取り組みを加速 1.5℃目標およびCO2排出ゼロへのコミットメントを表明

2019.09.24 PRESS


 
 アシックスは、このたび、気候変動の深刻な影響を低減するため、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指し、産業革命前からの気温上昇を1.5℃未満に抑えるための科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標を設定していくことを表明します。

 2018年10月に公表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の特別報告書では、気候変動による深刻な影響を低減するため、産業革命前からの気温上昇を1.5℃未満に抑えることの重要性が強調されました。
 アシックスは、スポーツメーカーとして初めて、国際的イニシアチブである「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ」から、2030年に向けたCO2排出量削減目標の承認を受けるなど、気候変動への取り組みを積極的に進めています。また、2019年6月には、金融安定理事会(FSB)により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言にも賛同しています。

 しかし、2050年までにCO2排出ゼロの社会を構築するためには、より強力なリーダーシップを結集し、今までにないスピードと規模での変革が求められます。そこで当社は、このたび、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)の「ファッション業界気候行動憲章」に署名しました。


 憲章では、スポーツ用品業界を含むファッション業界が果たすべき役割として、生産段階や素材の選択などにおける温室効果ガス排出量の削減に加え、消費者との対話など排出量削減の機会創出をあげています。当社は署名団体として、これらの取り組みを通じ、業界全体での温室効果ガス排出量の削減に向けた連携を加速していきます。

 また、当社の事業の中核をなすシューズの生産においては、環境への負荷をより削減するため、染色工程の見直しに取り組んでいます。生地を製造する際にあらかじめ原料自体に着色する染色技術「ソリューションダイ」※1を採用し、一部の商品に活用をはじめています。さらに、2020年には、この技術を全ブランド(「アシックス」、「オニツカタイガー」、「ホグロフス」)のシューズ生産※2に導入し、全新商品生産量の50%以上にまで拡大させることを計画しています。この規模での「ソリューションダイ」技術の採用は、スポーツシューズ業界で初となります。これにより、染色工程におけるCO2排出量を約45%削減、また、水使用量も約33%削減することができます。これは100万人が1日に必要な水分量と、スギの木25,000本以上が1年間に吸収するCO2排出量に相当します。


〇株式会社アシックス 代表取締役社長COO 廣田康人のコメント 
 アシックスは、1949年にスポーツによる青少年の育成を通じて社会の発展に貢献することを志して創業しました。その想いは創業時から変わらず、当社のサステナビリティビジョンとして受け継がれています。将来世代にわたり多くの人々が、心身ともに健康的になる世界の実現に向け、アシックスは、サステナビリティを企業戦略の根幹に据え、気候変動による深刻な影響の低減に取り組んでいきます。

 当社は、今後も引き続き、事業のあらゆる場面でサステナビリティに配慮した取り組みを推進し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

※1 ソリューションダイの工程
(図左:ソリューションダイ 図右:従来)糸の原料に着色料を投入



生地は着色された糸によって製造される



生地を染色する従来プロセスと比較して、材料製造時の水使用量とCO2排出量を大幅に削減



※2 シューズの中敷きにソリューションダイを導入

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