IoT技術を活用した新たなスポーツ体験の実現を目指して 神戸市立須磨海浜水族園で「ウォーキング水族園」の実証実験を実施
2019.05.20 PRESS
アシックスは、IoT技術を活用した新たなスポーツ体験の可能性検証を目的に、神戸市立須磨海浜水族園(以下、須磨海浜水族園)で、「ウォーキング水族園」の実証実験を行います。期間は5月20日(月)から6月7日(金)までの平日を予定しています。
今回の実証実験は、来場者の運動促進と安全な見学環境の構築を目的として実施するものです。アシックスが研究している「BLEタグを活用した位置検知および運動量計測技術」と、株式会社 神戸デジタル・ラボのBeacon技術および同社が作成したアプリケーションを組み合わせて実施します。
期間中、来場者の中から希望する方に、BLEタグを無料で貸し出します。園内に設置された複数の検知器が、BLEタグを携帯する来場者の位置を検知します。検知器の記録から来場者の歩いた距離や時間を割り出し、それらをもとに見学中の運動量を算出します。参加者には、運動量に応じてノベルティをプレゼントするなどの企画を準備しています。ゲーム要素を付加することで、来場者の園内回遊および運動を促す「ウォーキング水族園」を実現します。また、来場者の迷子を防止するなど安全な見学環境を構築します。
今回の実証実験を通して獲得する知見は、子どもや高齢者、障がい者などがスポーツを安全に実施するためのサービス開発に役立てます。
当社は今後も、IoT/ICT技術を活用した新たなスポーツの楽しみ方を検証し、人々の豊かなスポーツライフの実現に貢献していきます。
〇実証実験の概要
【場所】
神戸市立須磨海浜水族園(神戸市須磨区若宮町1丁目3-5)
【実施期間】
令和元年5月20日(月)~6月7日(金)の平日のみ(予定)
※実証実験は、上記期間中に予告なく終了する場合があります。
【実施時間】
10:30~15:30(最終受付は14:30)
※BLEタグをすべて貸し出しした場合は、一旦受付を休止します。
※参加申込および実施内容の確認は須磨海浜水族園本館1階受付まで。
【参加費】
無料(別途入園料要)
〇今回の実証実験で使用している技術について
・BLEタグ
Bluetooth®無線技術の省電力規格のひとつである「BLE」を利用した小型の発信端末のことで、検知器に接近すると位置情報が取得されます。今回の実験では、ALSOK(アルソック)が高齢者などの見守りや災害時の対応で使用しているタグを利用しています。
同技術は将来的に、見守り機能付きIoTシューズなどに応用できる可能性があります。
・LPWA通信技術
低消費電力および長距離通信の特徴を持つIoT通信ネットワークです。インターネット回線を使用することなく、センサ信号などの小容量データを伝送できます。
今回の実証実験では、凸版印刷株式会社および株式会社テクサーと連携し、同通信技術のひとつであるZETAを用いてBLEタグを携帯している来場者の位置を伝送します。ベビーカー利用者が階段などを通過することなく快適に園内を移動しているかどうかの検証や、BLEタグを携帯している来場者が園外に出るなど危険な行動をとっていないかなどを確認できます。
同技術は将来的に、インターネット接続ができない山間部におけるスポーツ実施時のデータ伝送に活用することなどを想定し、凸版印刷株式会社や株式会社テクサーと研究を進めています。
〇視覚障がい者向け案内コンテンツ配信の実証実験について
期間中には、BLEタグを活用した実証実験以外に、視覚障がい者向け案内コンテンツを配信する実証実験も実施します。実験では、株式会社フルノシステムズの協力のもと、エアサイネージ※を使用して、視覚障がい者向けのコンテンツを対象者に通知します。同コンテンツでは視覚以外で楽しめる園内展示を紹介しており、対象者はスマートフォンの「読み上げ」機能などを活用して案内を聞くことができます。このような取り組みを通じて、視覚障がい者の方にも楽しんで水族園内を見学してもらえる環境を実現します。
※エアサイネージについて
インターネット接続が不要なWi-Fiを用いて、エアサイネージ内に準備されたコンテンツをスマートフォンに通知するプラットフォームです。
同技術は、インターネット接続ができない山間部におけるトレイルランニングのコースマップのダウンロードなどにも応用でき、快適なスポーツ体験の実現につながります。