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障がい者のスポーツ実施率向上や高齢者の運動促進を目指し ナブテスコ株式会社と研究分野で連携

2018.04.09 PRESS

 株式会社アシックス(本社:神戸市、代表取締役社長COO:廣田康人、以下「アシックス」)は、このたび、ナブテスコ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:寺本克弘、以下「ナブテスコ」)と障がい者のスポーツ実施率向上や高齢者の運動促進のための研究分野で連携することになりましたのでお知らせします。両社がつちかってきた知的技術を活用し、スポーツ・健康促進分野における新たな価値創造を目指すとともに、それぞれの商品の機能向上の可能性を検証します。


【主な研究連携の内容】
〇義足装着者用スポーツシューズの研究開発に向けた連携 
 アシックスは、ナブテスコが開発した「インテリジェント義足膝継手」の特性に合った義足装着者向けスポーツシューズの研究開発を行います。「インテリジェント義足膝継手」は、電子制御によって半自律的に膝継手が曲がる機能を備えており、ナブテスコが1993年に世界で初めて開発しました。 
 今回の共同研究では、「インテリジェント義足膝継手」のスポーツ動作適用性の検証と、義足部の特性を考慮した、卓球やバドミントンなどのスポーツをより安全に実施できる義足装着者向けスポーツシューズの開発を目指します。 
 一般に障がい者のスポーツ実施率は、健常者に比べて低い傾向にあります。スポーツ庁が2017年3月に発表した第2期「スポーツ基本計画」によると、障がい者(成人)の週1回以上のスポーツ実施率は19.2%で、成人の42.5%と比較しても低い水準になっています。今回の取り組みは、スポーツ庁が目指している2022年3月までに同実施率を40%に引き上げるとの方針に寄与できるものと考えています。


〇歩行車利用者の運動量計測の検証について
 準天頂衛星システム※を活用した高精度衛星測位技術を用いて、歩行車利用者の運動量を正確に計測する可能性を検証します。ナブテスコが製造・販売している多機能歩行車「コンパル」シリーズや現在開発中のロボット技術を活用した電動アシスト歩行車などに測位機能を搭載し、アシックスがマラソン大会での実証実験などを通して蓄積してきた位置測位に関する知見を盛り込みます。 
 高齢者がウオーキングなどの運動をしづらい要因の1つとして、安全への不安があげられます。民間企業や自治体などがさまざまな方法で高齢者の見守りサービスを実施していますが、街中での測位精度が不安定などの課題がありました。また、高いモチベーションを持ちながら運動を継続するには、身体活動の成果を数値として確認できることが重要な要素のひとつと考えられています。 
 今回の検証では、従来の衛星測位よりも高精度な準天頂衛星システムを活用し、歩行車利用者の正確な位置情報を取得して安全な運動環境を整えるとともに、正確な移動距離や時間などを基にした運動量測定手法を確立し、数値として示すことで、高齢者の運動促進および健康増進に寄与することを目指します。

※準天頂軌道の衛星が主体となって構成されている日本の衛星測位システムです。従来の衛星と一体運用することで、これまで誤差が発生しやすかった山間部や都市部においてもより高精度な測位が可能となります。


 当社は「スポーツでつちかった知的技術により、質の高いライフスタイルを創造する」のビジョンのもと、すべての人々が健康で幸せな生活を実現できる製品・サービスの研究開発に取り組んでいます。今回の連携を通して、高齢者や障がい者が安全にスポーツを実施できる環境の実現に貢献していきます。


  【ナブテスコ株式会社について】 
 2003年に旧帝人製機株式会社と、旧株式会社ナブコの統合により発足。ものを『うごかす、とめる。』モーションコントロール技術を軸に、産業用ロボットや航空機器、鉄道車両用機器など輸送用機器、建物用自動ドアなど様々な分野で市場シェアトップの事業を展開しています。1993年に世界初の電子制御義足「インテリジェント義足膝継手」を製品化し、福祉機器事業に参入しました。『残された能力を最大限に生かし、不足した能力を技術でアシストする』をコンセプトに「アシストホイール」など独自の多機能福祉機器を開発し、高齢者や障がい者の方々が、自分らしく社会参加できることを当然とするノーマライゼーションの実現を目指しています。


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