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フルカーボンのアウターソールを実現  トップスピードを維持しやすい陸上短距離用スパイクシューズを開発

2012.04.26 PRESS

株式会社アシックス(本社:神戸市、社長:尾山基)は、シューズのアウターソール(外底)の全面にカーボン繊維強化プラスチック(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)を採用し、かつ、効果的に配置されたスパイクピンと一体成型することで、エネルギーロスが少なく、最高速度を維持しやすい陸上短距離用スパイクシューズを開発しました。

今シーズンから国内のトップ層の選手を中心に使用していただく予定です。

今回開発したスパイクシューズは、アシックススポーツ工学研究所の知見を生かして作製したもので、最もスピードの差が出るといわれるレース中盤以降において、走行中にかかるブレーキや荷重中心の後退などをいかに防ぎ、最高速度を維持できるかという点に着目し開発しました。

アウターソールのプレートに採用したCFRPは、当社従来のプレートに用いられている樹脂と比べて、剛性・強度が高いといった特徴があります。このCFRPを特殊な技術で積層することで、屈曲性が必要な踏み付け部や、より高い剛性が必要な土踏まず部など、部位によって必要とされる剛性の違いに対応した設計を行なっています。また、CFRPで一体成型することで当社従来のプレートに比べて大幅な軽量化を実現しています。スパイクピンは、重心移動をよりスムーズにするため、小指球部分のピンを最小限にし、母指球部分とつま先の外側部分に密に配置しています。

アッパーは、軽量で伸びにくい人工皮革を採用しています。フィット感とホールド性を高め、着地時や蹴り出し時のシューズと足のずれを抑えます。

なお、今回採用したCFRPを積層する特殊な技術は、日本における航空宇宙技術で実績を持つ川崎重工業株式会社の関連会社、川重岐阜エンジニアリング株式会社(本社:岐阜県)の協力を得て、アシックスと共同で研究開発しました。

≪走行接地中の荷重中心軌跡の比較≫

接地から離地の間における足裏にかかる荷重中心点の軌跡を示しています。CFRPスパイクは、�(最大後退時)がつま先側にあるため、着地から蹴り出しまでのスムーズな体重移動が可能となります。

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