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一枚で締め付け力に差をつけた新素材を使用、競泳日本代表選手に提供する競泳用水着

2012.04.09 PRESS

株式会社アシックス(本社:神戸市、社.:尾山基)は、このたび、「第30回オリンピック競技大会(2012/ロンドン)」の競泳日本代表選手に提供する競泳用水着を作成しました。

今回の競泳用水着は、大腿(だいたい)部に、一枚でその部分により締め付け力に差をつけた新素材を使用することで、大腿部のゆれを抑える機能を持たせて流水抵抗を低減するとともに、素材の特性を生かして推進力を高めたのが特徴です。

男性用、女性用ともスパッツタイプを用意しています。どちらも、ブラックをベースに当社トップモデルの象徴として競技を横断し展開している「翼」をイメージしたプリント柄を付けたデザイン、ブラックをベースに「桜」のプリント柄を付けたデザイン、ネイビーのみの3種類を揃え、選手の好みに合わせて選んでいただけるようにしています。

「翼」のイメージは、日本代表選手が実力を発揮し、世界の舞台で羽ばたいて欲しいとの期待を込めてゴールドでデザインしています。男性用の前側部、女性用の両脇身頃に付けています。

「桜」は、日本の代表チームらしさをイメージしており、世界の舞台で花開いて欲しいとの期待を込めてピンクでデザインしています。男性用の左前側部、女性用の左脇身頃に付けています。

≪提供する競泳用水着のタイプ≫

≪機能面について(2011121日に発表済)≫

今回開発した競泳用水着は、アシックススポーツ工学研究所にて研究、分析を重ね開発しています。

水泳のキック時に、大腿部では軟部組織のゆれが発生し、ひざから上に向かって伝わります。この軟部組織のゆれが流水抵抗を生み、推進力の妨げとなります。今回開発した水着は、大腿部の中央を横断するように締め付け力が弱い部分を設けており、ゆれが伝わる方向に合わせて角度を付けて配置しています。この構造により、ゆれの伝播を散逸させ、大腿部の大きなゆれを抑えることで推進しやすくしています。

(※この構造は特許出願中)

大腿部の素材には、東レ株式会社と共同開発した新しい織物素材「3CSKIN―COMP(スリーシースキンコンプ)」を使っています。織り込む横糸の種類を変えることで、一枚の素材でその部分により締め付け力に差をつけることを実現しました。生地を切り替えることなく締め付け力を変化させること

で、流水抵抗の一因となる縫製による凹凸を抑えました。

また、斜めに伸びやすく、横には伸びにくいという織物素材の特性を生かして生地を配置しています。前身頃はキックを打ちやすいように生地を斜めに配置し、後身頃は大腿部と臀部を効果的に締め付けて体を平らに保てるように生地が伸びにくいように配置しています。流水抵抗を低減しながら、必要な箇所を伸びやすくすることで動きを妨げにくく、推進力を高めています。

その他の特徴

多くのスイマーから好評いただいている2011年モデルから一部の機能を継続しています。

「ゼロアングル」の構造イメージ)

1. キック時における足の振り幅を分析し可動範囲の中点を割り出し、この中点を基準にした裁断、立体成形を施しています。(動作始点「ゼロアングル」※特許出願中)

2. パワーを効率よく推進力に変えるのに重要な股関節の可動性を高めるために、骨盤まわりに伸縮性の高いソフトタイプの素材「3CSKIN-SⅡ」を配置しています。

3. 生地を重ねない“1重構造”にすることで、体の動きに合わせて水着が追随しやすくしています。

4. 大部分が超音波圧着による無縫製で水着全体を平滑に仕上げています。

素材の配置

部位に応じて3種類の素材を適所に配しています。

・ブルー部分 一枚で締め付け力の強弱をつけた素材「3CSKIN-COMP」

(淡いブルー部分:締め付け強、濃いブルー部分:締め付け弱)

・グレー部分 締め付け力が強いハードタイプの素材「3CSKIN-H」

・紫部分 伸縮性が高いソフトタイプの素材「3CSKIN-S�」

素 材:3CSKIN-COMP ナイロン75%、ポリウレタン20%、ポリエステル5%

              3CSKIN-Hナイロン80%、ポリウレタン20%

              3CSKIN-SⅡナイロン75%、ポリウレタン25%

※すべてFINA認可モデルです。

※すべて非売品です。

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