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工場評価と改善

工場を新たに選定する際は、契約を締結する前に、アシックス基準によって社会的・環境的サステナビリティを評価します。取引開始後も、継続して監査などを行い、定期的(基本的に年1回)に評価します。監査には自社監査、委託監査、パートナーによる監査の3種類があります。更に、サプライヤーとその下請け業者の順守レベルを調べるための自主点検も実施しています。これらの評価結果は、当社の他の工場評価システムやリスク分析プログラムにも取り込まれます。また、改善については、工場、労働組合、業界団体などと緊密に連携して実施しています。

1) 自社監査

当社のCSR担当者が監査員として現場確認、資料確認、経営陣へのインタビューをします。アシックスの考え方を詳しく経営陣に説明し、意見交換をしながら、問題点の抽出や改善策の立案をしています。

2) 委託監査

監査会社に依頼して実施する監査です。現地の法規や言語、文化に精通したプロの監査員が行うことで、従業員の声など自社監査では集めきれない情報を得ることができます。

3) パートナーによる監査

複数ステークホルダーとの取り組みの一環として、サプライヤーとの協働で実施される監査です。アシックスは2014年1月にILOベター・ワーク・プログラム及びベター・ファクトリーズ・カンボジア・プログラム(BFC)の正式パートナーとなりました。2014年以降のパートナー監査は、BFCが実施しています。

4) 自主点検

アシックスの評価項目に基づいて工場側が自らの状態を確認するものです。自主点検には、サプライヤーのアシックス基準に対する認識を深める効果もあります。将来的には、SACのHigg指標のような業界共通の指標や仕組みを利用してサプライヤーによる自主管理にもつなげたいと考えています。

2020年度 監査数


※左から「自社監査」「委託監査」「パートナーによる監査」


表中のコメントは以下
※残りの11.4%のサプライヤーは国際労働機関(ILO)の工場改善プログラムである「ベターワーク」もしくは「ベター・ ファクトリーズ・カンボジア」に加盟しており、 同プログラムによる監査(アセスメント)と改善指導を受けています。


・監査基準と工場評価

当社は17項目の評価基準によって、1次委託先工場を評価しています。それぞれの項目を1(要大幅改善)から5(卓越)の5段階で評価した後、総合評価をし、A(卓越)からE(要大幅改善)に分類します。当社では、監査基準のうち、強制労働、児童労働、虐待とハラスメント、賃金、差別、労働時間を重点管理項目と定めており、不順守があった場合には厳しい対応策を講じています。


・不順守への対応

監査で見つかった不順守は、緊急度と労働者へのリスクの高さに基づいて分類されます。当社は、強制労働、児童労働、虐待とハラスメント、賃金、差別、労働時間に対する不順守を重度の違反と見なし、ビジネス提携の停止や発注計画の見直し、第三者調査の実施などを検討します。

不順守が軽微の場合、改善期間(3カ月以内)を設け、期間内の是正策の実施を求めており、研修の実施や関連情報の提供などで改善を支援します。


・監査範囲の拡大

1次委託先工場に加えて2次委託先工場へ監査範囲を拡大しています。2次委託先工場では、化学物質を使用する工程などで人々や環境に大きな影響が発生する可能性があります。今後も、1次委託先工場だけではなく2次委託先工場も監査することで、サプライチェーンのより広い範囲で人権が尊重され、法令が守られているかをサプライチェーンのより広い範囲で確認していきます。

・リスク管理

新規の生産国へ参入する際は、必ずカントリーリスク評価を社内外のステークホルダーと実施しています。これは継続的なサプライチェーン改善の一環であり、また「現代の奴隷制」と呼ばれる人権に関するリスクへの対応のためです。リスク評価では、産業やその国・地域特有の人権リスクを中心に評価します。

2020年度目標と進捗に関する詳細はこちら

詳細はサステナビリティレポート(英語)をご覧下さい