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製品の安全性と品質の管理

アシックスは、製品の安全性と品質を重大な責務と捉え、事業全体でそれらの保証に関する方針や、国際的品質管理原則に基づくガイドラインを定め、全ての製品がお客様にとって安全であるよう努めています。
当社は全従業員に品質管理の原則の履行を徹底しています。品質保証と品質管理システムに研修は欠かせません。当社は、従業員研修はもとより、生産委託先工場に対しても研修と認定を行っています。当社は製品の安全性と品質の向上のための活動を展開し、表示や販促物についても広範囲に製造物責任審査を実施しています。


1. 化学物質管理

アシックスは、事業を展開している全ての国で、化学物質の製品、環境、人に対する安全性に関わる法規を順守します。当社では、製造工程の一環として、生産委託先工場で化学品安全に関する予防監査を実施しています。また、そのほか化学物質に関わる様々な安全試験を行い、安心できる製品をお客様にお届けできるよう努めています。

「アシックス化学物質管理・運用ガイドライン」は、化学物質管理に関する法令順守と業界基準への適合を確認するため、アシックスとサプライヤーの製品の設計工程と製造工程での化学物質の管理と使用に関して定義したものです。全てのサプライヤーは、このガイドライン要件を順守する必要があります。


2. AFIRM:化学物質管理の業界共通指標

アシックスは、国際的な制限物質リスト管理団体「Apparel and Footwear International RSL Management Group (AFIRM)」のメンバーです。同団体への関与を通して、業界内での化学物質管理に関する知識の構築と共有に貢献し、また、含有禁止化学物質に関するサプライヤーのリスク管理とコンプライアンス活動の効率化を支援しています。

AFIRMの制限物質リスト(RSL)は、サプライヤーが化学物質管理の知識と手法の確立、及び規制順守や分析検査実施に当たってのAFIRMメンバーとの共通基盤作りに活用できるものです。また、製品の化学物質管理に関する業界基準の統合に役立つほか、サプライヤーのコンプライアンス向上の効率化を図ることができます。
当社は、同リストの適用を積極的に支援しており、AFIRM RSLを「アシックス化学物質管理・運用ガイドライン」の主軸要素として採用しています。

このたび、スポーツ用品メーカーのミズノ株式会社と協同で、 日本語版「AFIRM RSL」、「化学物質情報シート」、「Packaging RSL」、「化学物質ツールキット」を作成し、 より多くのサプライヤーの皆様にもご活用いただけるよう、 AFIRMの公式ウエブサイト (https://www.afirm-group.com/afirm-rsl/) に掲載しました。

本取り組みを通じて、 率先して日本のスポーツ用品業界に向け化学物質管理の重要性を発 信していくとともに、 日本国内のサプライヤーの皆様と協力しながら、 化学物質の管理向上に取り組んでまいります。


3. bluesign

製品に使用する素材および化学物質の管理をさらに強化するため、スイスのbluesign technologies(以下「bluesign社」)とシステムパートナー契約を締結しました。
アシックスは、bluesign社とシステムパートナーシップを結んだ初の日本ブランドであり、今後はbluesign社が提供する最先端の化学物質管理評価ツール「bluesign system」を通じて、製品開発および生産におけるサステナビリティの向上に取り組んでいきます。


4. 過フッ素化合物(PFCs)に対する取り組み

アシックスは、人や環境に配慮し、2016年より過フッ素化合物(以下、PFCsという)を含まないはっ水剤を採用していく活動に順次取り組んできました。さらに、2020年以降に製造する商品には、PFCsを含まないはっ水剤の採用を100%に近づけるよう目指しています。

PFCsは、繊維・皮革材等のはっ水性付与などの用途で広く使用される化学物質です。しかし、PFCsの一部物質には、発ガン性などの有毒性や体内への高い蓄積性による人体への悪影響に加え、環境中で分解されにくい性質を有するために、土壌や水質などの環境汚染も指摘されています。このため、PFCsのうち、PFOSやPFOAなどの長鎖PFCs※1(いわゆるC8タイプなど)は、すでに多くの国々で使用が禁止されており、短鎖PFCs※2 (いわゆるC6,C4タイプなど)についても規制化の動きがあります。

ただし、現在の技術では、これらPFCsを含まないはっ水剤は、従来のPFCsを含むはっ水剤と比較して、はっ水性能が劣る傾向にありますので、引き続き安全で、優れた代替はっ水性能の探求を進めてまいります。アシックスは、今後も、人や環境に配慮した商品を充実させ、持続可能な社会の実現に向けて、さらなる貢献に努めていきます。

※1 フッ素と結合した炭素原子(C)が8個以上の化合物

※2 フッ素と結合した炭素原子(C)が7個以下の化合物

詳細はサステナビリティレポート(英語)をご覧下さい