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研究職

1.仕事の内容

現在所属している次世代技術開発チームでは、将来の消費者ニーズに合うような新しいものを作り出すための研究を行っています。商品でいうと、3、4年後に生きてくるような研究で、その中でも今は、新しい試作技術について検討しています。具体的には、コンピュータ上で設計図(3D CAD)を作り、デジタル技術を駆使してシューズのソールなどを作製する、そのプロセスを研究しています。

従来は、複雑な形状や微細な形状のものを作製する際に、時間やコストを必要としていました。しかし、この試作技術を確立できれば、作製時間を短縮できるだけでなく、製品の検証をコンピュータ上で行えるようになるため、開発スピードと精度を向上させることにつながります。

2.キャリアパス

これまでは、ランニングやバレーボール、バスケットなどのシューズの開発や評価業務を担当。ヒトの体の動きを研究し、その動きに合わせた製品を作ることに取り組んできました。

シューズの研究テーマには大まかに、材料と構造があります。大学院での専攻は高分子化学だったので、材料のほうが専攻に近いのですが、実は僕自身がスニーカーおたくで、シューズを作るための知見を広げたいということもあり、敢えて専門外である構造を希望したのです。

これまでは、トップ選手など、特定のユーザーのニーズを深く追い、そこに向けて必要な構造を考えるという仕事をしてきましたが、今はもう少し幅広く、さまざまなカテゴリーに展開でき、ユーザーのレベルに関わらず適用できる技術を研究しています。試作技術の研究もその一つです。

3.印象的な仕事のエピソード

選手が使う用具の作成を初めて任せてもらったときのこと。自分で作った3D CADをもとに、切削機(道具の原型となる金型を削り出す機械)を動かすプログラムも自分で組み、金型を作ろうとしたのですが、いざスタートしてみるとプログラムが思ったように動かず、2回続けて失敗してしまいました。もう一度失敗したら納期に間に合わないという状況で、これは担当を外されても仕方がないと思っていたのですが、上司は「諦めず、絶対成功させろ」と任せてくれたんです。結果として、3度目で見事成功、何とか納期に間に合わせることができました。

失敗を経験しないとできないことは多いもの。その失敗を「させてくれる」環境のありがたさを感じた出来事でした。

4.アシックスで働く魅力

僕自身スポーツは好きなのですが、実は運動音痴で悔しい思いもしてきました。しかし、下手なりに努力することで得られるものがある、ということもスポーツを通じて経験してきました。そんな僕がアシックスに入社したのは、学生時代に、アシックス社員の方の言葉に胸を打たれたから。「一握りのプロ選手のためでなく、大切な小遣いで買ってくれる子供達のために、最高のものを作りたい。」こうした哲学でモノづくりをできていることは、とても嬉しいことです。

また、メーカーに勤める研究員として、設備や機器の充実した環境で、実際のモノづくりや研究開発を早くから任せてもらえることは大きな魅力だと感じます。知識としてわかったつもりでも、手を動かしてみるとうまくいかないことはよくあります。そうした失敗を通じて、研究者としても人間としても成長できていると思います。能力的にも人格的にも尊敬できる人に囲まれて仕事をできるのも、とても幸せなことですね。

5.今後の目標

シューズというのは機能もデザインも大事。2つが両立されているからこそ愛用するのだと思うんです。そうした機能とデザインの両立を目指す部分こそ、研究所がやる意味のあるところ。今取り組んでいる試作技術を確立し、より多くの試作品を比較検討できるようになれば、より良い機能、より良いデザインを生み出すことにもつながります。こうしたことを通じて、ユーザーに感動してもらえるようなモノづくりをしていきたいです。

また、シューズは高分子を中心にさまざまな材料で構成されています。今取り組んでいる試作技術は、できるだけ多くの材料で適用できるようにしたいと考えているので、「この材料ならこうしたほうがいい」というように、材料の特性を考えながら検討する場面も出てきます。そんなときには、自分が大学で専攻した化学のバックグラウンドも活かしていけると思っています。

6.とある1日のスケジュール

8:00

早めに出社して勉強会

この日は週1で行っている、コンピューターシミュレーションのための勉強会でした。

早めに出社して勉強会

9:00

始業、メールチェックとスケジュール確認

現在自分が進めている案件について、先にやっておくべきことなどを確認します。

9:30

試作、実験

大型装置での自動作業もあれば、ドリルやリューターなどを使って手作業で加工をすることもあります。

12:00

昼食

ランチは基本的に研究所内の社員食堂で。カレーがお気に入りです。

13:00

3D設計図を作成

パソコンに向かい、3D CADを作成します。集中して取り組むので、気が付けば数時間が過ぎていた、ということもよくあります。

 3D設計図を作成

16:30

チームで進捗確認ミーティング

この日は週に一度のチームミーティングの日。4、5人で集まって、それぞれの作業がどういう段階にあるか、進捗を確認し合います。途中の段階で共有しておくことで、トラブルを未然に防ぐことにもつながります。

チームで進捗確認ミーティング

18:30

退社

翌日の試作や実験の準備を終えて、退社します。作業に夢中になって遅くなることもありますが、研究所全体として20時には退社する決まりになっていて、基本的にそれを超えることはありません。

7.印象に残っている人財開発プログラム

新入社員フォローアップ・プログラム

これからどうやって自分の存在感を発揮していくか悩んでいた入社3年目の時にこの研修を受講しました。他部署で働く同期の話や悩みは自分にとって新鮮で、地に足をつけて仕事に取り組むための、心の整理になった機会でした。今後も、視野を広げて積極的に研修に参加したいと考えています。

新入社員フォローアップ・プログラ